第3話 序盤に出てくるスライムって、イキリなんだよ。
夜が明けた。
というわけで、今日もレベルあげます!
「おーい、スラスケ」
「やっときたか。スラオ」
「まってたの?」
「ここにいたらする事ないしよ。それより、また仲間が
「そうなのか。」
仕方のない事である。若いスライムは血の気が多いものが多く、自信過剰だ。それに、逆に冒険者を舐めている。冒険の序盤に出てくるスライムは冒険者を見つけたら毎回襲ってくるだろう? そう、つまりはそういう事である。
駆け出しの冒険者でも基礎ステータスは普通に二桁を超える。その中で魔法が得意な奴だったり、素早さが高いやつだったり、攻撃が高いやつだったりと、色々いるわけだ。
「あいつらも馬鹿だよなー。若気の至りってやつか?」
「そんなとこだろうね。それじゃ、レベル上げ頼むよ」
「おう!!」
ぺちょ。ぺちょ。体を互いに擦り合わせる。やっぱり女である事を知ったため、ちょっと意識してしまう。
チャリン。
チャリン。
チャリン。
チャリン。
チャリン。
順調に上がっていく。けど、少し上がるスピードが遅くなったかな? やっとLv15まで来た。一応ステータスの確認をしておく。
種族『ベチスライム』
Lv15 ♂ スラオ
進化まで後Lv5
HP: 13 MP: 9
攻撃力: 8
守備力: 10
素早さ: 8
魔法耐性: 3
特技 無し
スキル たいあたり+1 毒霧
特殊技能 無限成長
称号 転生者・超晩成型・進化者・変態
お、守備力とHPが2桁に乗ってる! まぁ、これでやっと駆け出し冒険者の攻撃を一撃を耐えられる程度だけど。着実に成長していってるわ! てか、なんだよ。『変態』って。仕方ないだろ?! 20年も人生? スラ生? が止まってたせいで心はまだ童貞のピチピチ高校生なんだよ!!
「スラオ、俺進化しそうだわ。」
「え? そうなの?」
「次の進化って確か、『カクスライム』だったよな?」
『カクスライム』はその名の通り少し角張ったスライムだ。ちょっとだけ強度が増すため、駆け出し冒険者は地味に嫌っていた。負けることはまず無いのだが倒すのに時間がかかる。なのにスライムなので経験値がそこまで美味しくないという、まさに時間の無駄の代表だった。討伐魔物コンプリートのために一回だけ戦ったけな?
「たぶんそうだったと思う」
人間は『装備』をつけるから、スライムの攻撃なんてほとんど効かない。まぁ、人間の特権だよな。基礎ステータス2桁に更に装備でプラスされてんだから負けるわけないんだよ。駆け出しが着る皮の防具でも守備力+10だからな。
「んじゃ、今からするから見ててくれよ」
と言うと、スラスケの体が青白く光りだした。へぇー、進化ってこんな感じなんだ。このゲームやってた頃は見たこと無かったな。僕もこんな感じで進化してんのか? ちょっとかっこいいな。
スラスケの体が眩しく光り、それがおさまると、そこには潰れたスライムではなく角張ったスライムが居た。サイズは人間の膝下くらいで立方体に近い形だ。
「よっ、どうだ? 強そうに見えるか? 体がかなり頑丈になった気がするが」
「確かに、前よりは強そうだ」
「だろ!」
と言って笑うスラスケ。ステータスを確認してみよう。
種族『カクスライム』
Lv1 ♀︎ スラスケ
進化まで後Lv19
HP: 11 MP: 8
攻撃力: 8
守備力: 19
素早さ: 8
魔法耐性: 4
特技 無し
スキル たいあたり 毒霧 硬化
特殊技能 無限成長
守備力が大幅に上がってる。けどその分HPが少し下がったな。まぁ、守備力が高いやつ特有のステータスだな。多分運営側の配慮なんだろ。防御高くてHPも高いとなると同じランクの奴の攻撃じゃ死なないしな。HPとかMPは自然に回復するし。
「すごい! めちゃくちゃ強くなってる! 僕も進化出来たら外に行ってレベル上げよう!」
「そうだな! んじゃ続きやるか! ていうか相手のステータス見れるんだな? それ結構レアスキルだぞ」
「そうなんだ?」
やべ。あんまり見せないようにしないと。
「あぁ、俺はできねーし」
そうなのか、だから凸る奴が多いんだろうな。
それより『硬化』は硬くなるスキルだったよな? 確か守備力が100%upだったか? 忘れた。
「なぁ、『硬化』を使ってみてくれないか?」
「あぁ、新しいスキルか。いいぜ。ほら」
すると、スラスケの体が青白く光った後、光沢を帯びた。あぁ、思い出した。100%upで間違いないな。
「サンキュー!」
「おう! サンキュー!」
んー、使い方間違ってるけどまぁいっか。可愛いし。
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