あえて言うなら、遠い思い

 ときどき、まっ白に清潔な存在になりたくなる。

 埃なんて吸ったことなくて、瞳はきれいなものだけを知っていて、手は消毒液で洗ったかのように白い、そんな存在。空は永遠に青いと思っている、そんな存在。

 そんなの無理だ。なぜなら私の性に合わないから。それにまっ白に清潔な存在なんて、ふだんは厭っているくらい。

 決して自虐ではなく、私には汚れている部分がある。

 それが嫌だとは思わない。むしろふだんは誇っているくらい。

 でも、たまに、そんな願望がたまらなく私を悶えさせる。

 いろいろなことを承知でなお思う、

 この手が白ければ、と。


 後悔とか自己嫌悪とか、そういうものではないのです。

 ただね、思っちゃうってね、ことなんだよね。

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