(四)‐3

 「なんでそこまでしてくれるんですか」と彼女は父に聞いたことがあったそうだ。その時、父は「愛だよ」とだけ答えたという。それは恋人としての愛ではなく娘や家族のような愛だ、と彼女は思ったそうだ。実際に一緒に食事に行くことはあっても頻度も少なくそれ以上の関係にはならなかった。もちろん肉体関係にもならなかったという。

 そんな話をして、親子は帰っていった。彼女の娘は、俺の妹ではなかった。安心した。そして俺も自宅に戻った。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る