(二)‐19

 母が驚いて「ちょっとこれはどういうことなの?!」と立ち上がった。俺と妹は「まあまあ」と座らせた。

「また、後日伺います。今日はご挨拶と言うことで」

 上杉氏はそう言って立ち上がった。

 俺と妹は上杉氏の背中に礼をした。落ち着いたふうを装ったが、心の中では嵐になっていた。父亡き後のこの家族に起こること。それは一体何なのか。


 続いた「まさか」は、さすがに二〇時を回ったので、もう終わりだろう。受付もこの時間で閉めることになっていた。その辺は小ヶ田葬儀社の方々がてきぱきと片付けなど進めていった。


(続く)

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