第41話 別れ⑪

僕と菅ちゃんは斎場に近い並木道を二人で歩いていた。雪がちらほらと降り始めている。


 「いいお葬式でしたね。僕は初めていいお葬式というのがあるのを知りました。」

 僕は黙って頷いた。

 「ねぇ、先生。人は生き方だけでなく死に方も選べるのでしょうか? 僕は…。」

 菅ちゃんは言葉を止めてコートの襟を立てて歩き出した。

 「僕は…」管ちゃんの次の言葉を僕なりに捜しながら彼と共に並木道を歩いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る