第3話 


 ここはどこですの? なにやら噴水が目の前にあって沢山の人達で溢れかえっていますわね。


 ピロン


▪︎ ザクロ

始まりの広場を東に出たところの森で待ってます。準備ができたら来てくださいね♪


 お、お姉さまからメッセージが来ましたわ! 確か、お姉さまの紹介で始めたかなんかで最初からフレンドになってる、みたいなことを言ってましたわね。


 そして、ここは始まりの広場というのですわね。意外とそのままですこと。取り敢えず行きましょう。


「あっ! お姉さま!」


「イチゴ、来たのね」


 私がその森に着くと、そこにいたのはいつもとは全然雰囲気の違うお姉さまがいましたわ。いつも着ている気品のあるお洋服とは違って、気品はそのままに、魔法使いの格好をしていましたの。


「お姉さま! その格好、とっても似合っておりますわ!」


「ほんと? それは良かったわ。こんな格好現実では到底しないもの、似合ってるか不安だったのよ?」


「お姉さまに似合わない格好はありませんわ!」


 これは本当にそうなんですわよ!? お姉さまはモデルをしている時も、スポーツをしている時も、研究をしている時も全て美しいんですの! 神様はお姉さまに二物も三物もお与えになったのですわ! ありがとうございますですわ!


「それにしてもイチゴはまだ始めたばかりよね、私がいろいろ教えてあげるから、先ずはこの世界に慣れることから始めるのよ」


「は、はい! かしこまりましたですわ!」


「そんなに畏まらなくてもいいわよ、もっとリラックスして、ここはあくまでもゲームなのよ? なんてったって楽しまなきゃ!」


「は、はいですわ!」


「もー、全然分かってないんだからー。……まあ、そんなとこが可愛いんだけどね」


 ん? 最後の方なんて言ったか聞こえませんでしたわ。ですけど、お姉さまの前で畏まらない道理はないんですわ! だって、どの業界でも引っ張りだこのお姉さまを私が独占するんですのよ!? 一大事ですわっ!


「ふふふっ、まずは最初に職業を教えてもらおうかしら。このゲームのプレイスタイルを決める重要なポイントだからそこはしっかり理解しなきゃなのよ」


「もちろん、魔法使いですわ! お姉さまと同じですの!」


「そっかぁ、お姉ちゃんは嬉しいな。でもね、魔法使いにもいろいろあるのよ? 火、水、木、土の基本四属性に加えて、更に氷や雷などの派生属性もあるの。一つを極めるのもよし、広く扱えるのもよし、イチゴは何がいい?」


「お、お姉さまはどんなスタイルなのです?」


「んー、私は基本属性は一通り押さえてるわよ。それに加えて派生属性もいくつかって感じね、一つを極めるっていうより、対応力で勝負する、って感じね」


「そ、それなら私もお姉さまと同じにしますわ! 魔法を広く押さえて、対応力で勝負しますの!」


「んもー、お姉ちゃんは嬉しいけど、本当にそれでいいのー? 途中から変えることもできるけど、かなりのディスアドバンテージになっちゃうから、よーく考えてね?」


「私に迷いはありませんわ!」


 お姉さまと同じ、それだけで理由は充分ですの。お姉さまは私なんかよりも何倍も賢く聡明ですのよ? 私が考えるよりも遥かに素晴らしいに間違いないのですわよ!


「そっかー、なら魔法使いの多属性スタイルで始めちゃうわよ? 違うって感じたらすぐに言うのよ? 早いうちは損失も少ないんだから」


「分かりましたですわ!」


「よし、先ずはスキルの発動から教えるわね。魔法は普通のスキルと発動の仕方は同じだから、先ずはそこから慣れていくわよ」


「はいっ!」


 ほ、本格的に指導っぽくなってきましたわ! もうこれだけでもゲームを始めた甲斐がありますわ! こんな幸せな時間を過ごせるなんて……このゲーム最高ですわね!


「まあ、と言っても発動自体は簡単なんだけどね、スキル名を口で言うか、頭の中で思い浮かべるだけでいいの。まあ、私は名前を言う方がお勧めかしら。……イチゴが言ってる姿が見たいだけなんだけどね」


 ん? またお姉さまの声が最後の方聞こえませんでしたわ。でもお姉さまが名前を言う方がいいって言うなら迷わず言いますわよ! お姉さまの言うことに間違いはないのですわ!


「あら、そういえばまだスキルはまだ何も覚えていないわよね? それなら、私を真似してみて? 手を出して、ウォーターボール!」


 お姉さまが何も無いところに手をかざしてウォーターボールと唱えると、水の玉が生まれて、前方に飛び出していきましたわ。


「す、すごいですわ、お姉さま!」


「ふふっ、イチゴもできるわよ。ほら、真似してみて? ウォーターボール!」


「わ、分かりましたわ! ウォーターボール!」


 そう私が唱えると、なんとお姉さまの魔法みたいに水の玉が飛び出していきましたわ! とは言っても、大きさがスイカと野球ボールくらい違いましたわ。流石お姉さまですわね!


「あら、可愛いわね。うふっ」










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ザクロ、イチゴ、ハク、主人公のイラストをこちらで公開しております!!


気になる方は是非!!


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