第3話

来てしまった・・・

彼女の自宅に。


葬儀の日以来だ。


彼女のご両親とは、顔なじみ。

何度かお会いして、食事をご馳走になった事もある。


なので、夢の中の彼女も、≪来てくれ≫と、言ったんだろうが?


しかし、≪パパとママに言っとく≫は、どういうことだろう?

ちなみに、兄弟姉妹はいなかった。


ベルを鳴らす前に、玄関が開き、彼女のご両親が顔を出した。


「ようこそ、○○くん。お待ちしていました」

「元気そうだね」


丁寧に挨拶を受ける。


「ここへ来られたと言う事は、あなたの夢に、娘が出てきたのね」

「どうして、それを?」

彼女のお母さんの問いに答える。


「なら話は早いわ。先にあの娘の部屋に行ってて。もう、いるはずだから」

「えっ?いるんですか?

「ええ。モンシロチョウの姿だね」


そういうや、今日はまだ見ていない。


「詳しくは、そこで4人・・、1人と三頭かな・・・話すわ。全てを」


良く利害出来ないまま、彼女の部屋に行く。

モンシロチョウが、一頭飛んでいた。


僕の肩に停まる。


「来てくれてありがとう」

そう言われている気がした。


ちなみに机の上に、手紙が置いてある。

これが、事の真相か?


程なくして、ご両親がいらっしった。


「紅茶でいいかしら?」

「お構いなく」


一本、グラスにジュースが注がれていた。

モンシロチョウは、器用に飲んでいる。


見とれてしまった。

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