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いや、鳥肌が立ちました。偶然フォローした作品に、遠野物語の津波の話が出てくるなんて。
文豪は文豪でも柳田國男に導かれたようです(笑)
誰かに待っていてもらえる。そう思うだけで、救われる人もいます。
遠野物語の置いて行かれた夫は、家に子供たちが待っていたはずです。
旅立っていく人に引きずられず、待っている人がいる家に帰る。それで、彼は救われたのだと思います。
太宰治と柳田國男に心の中で手を合わせておきます。
秋の夕暮れに染みるおはなし、ありがとうございました。
しかし「あるはげた日に」とは全然違う筆致ですね(笑)
作者からの返信
私も『新遠野物語』を拝読した時、鳥肌が立ちました。導かれましたね。
妻に心を残しつつも、待っている子らに救われる。時折振り返りつつも、歩いてゆくのを願って止みません。
柳田國男の著書には色々お世話になっており、美味しいモチーフ盛り沢山で好きです(まあ、齧っている程度ですが)。長編では山人、妹の力、神隠しなど使わせていただきました。太宰治は付け焼き刃で書く前に本やら映画やらで履修した程度であれなのですが、偉大なお二人に感謝です。
編集済
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かの時代を思わせる美しい文章に思わず引き込まれました。後から読み返した時の違和感が何なのか、考えてはみたのですが、ラストまでおかしくなってしまったままの妻でいるより「お帰りなさい、あなた」で、ほっと安心できる今のままの方が私は好きなんだなと思い直したのでした。
P.S.
ああっ、本当に申し訳ありませんでした。お話の筋は理解しておりました。ラストで妻の台詞に出てきた夢の中のあなたはどんな姿であるべきか?を考えた時に私の中でつじつま合わせをするための妄想です。お気になさらず。
丁寧なご回答ありがとう御座いました。
作者からの返信
お読みありがとうございます。
実は、どのようにお答えするか一日悩んでおりました。解釈は読者の自由だと思いつつ、でもせっかくのご質問……と悩ましい。
一応、私なりの解釈を。ラストの妻は夫を夫のまま受け止めています。まだらボケが一時的に正常に戻ったというのが近しい状態しょうか。混乱させてしまったらすみません!
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今頃になって辿り着きましたが、この文章には本当に驚いています。
光がチラチラと背中で燃える、木漏れ日の描写。時代を彷彿させるソフト帽。出会って挨拶をする人が、二人は何らかの関係者である事を古風な言葉で知らせて、謎が解けるように歩を進めていく。女性の服装は着物で、伏せっているのはちゃぶ台だろうか。自分の見知った情景が彷彿としてくる。
ここで一気に、当初の「似てない」と言われた謎が解き明かされる。彼女が求めていたもの、それはかの文豪の面影であったのだろう……(多分)
確かにこの文章は彼らの、そして時代を思わせて秀逸です。
ただ、ストーキングという横文字が、いきなり現在に時軸を回してしまい、クスッと壺に入ったのは内緒です。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。木漏れ日の描写は自分でも気に入っていたので余計に嬉しいです。
時代については読み手様々で。お楽しみいただけたなら、幸いです。
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坂水さま
初めまして。百一里優と申します。僕も角川武蔵野文学賞に応募しており、他の方の作品を勉強がてら、拝読させていただいています。
冒頭のシーンは明治か大正かと思っていたら、いつの間にか現代に引き込まれている幻想的な作品ですね。流麗な文章にすっかり騙されていました。
武蔵野という土地はどこかそういう不思議な時間の流れを持ったところなのかもしれません。
このような文章を書ける方に差し出がましいようですが、最後に「私」が家に帰り着いたとき、妻が顔を上げて微笑むというところがありますが、その後で「あなたを探しに行く夢を」を見ていたという部分との整合が取れていないような気がしました。あなたを見つけたなら、微笑みより大きく嬉ぶのではないかなと思いました。それはその夢で妻がどのような気持ちで「私」を探していたかにもよりますので、僕の読み違えかもしれません。違っていたらすみません。
いずれにせよ、すごく綺麗な文章で、危うい時間の流れのようなものを感じさせていただきました。
ありがとうございます。
作者からの返信
丁寧にお読みいただきありがとうございます。
実は今作、書き進めるのが辛くて辛くて、文章をお褒めいただき報われる思いです(表記ゆれは見逃していただけると幸いです)。
さて、くだんの〝顔を上げて、微笑んで、辺りを見回して〟ですが……すごいですね。迷った箇所はやっぱり滲み出るのでしょうか。
反応としてどうだろう、別の個所でも妻を微笑ませているし変えたいけど、いやいや、いっそ対比させるか……と悩んだ末に微笑ませました。
ちょっとわけあり夫婦、夫は随分年上(多分初婚じゃない)、妻は本当に夫に惚れているのか、そも何のために捜していたのか、その微笑みに諦めは混じっていないか……色々妄想していただけると当方大変助かります。
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まるでゆるりと流れていく川のような文章に。
自然に頭の中に美しい情景が浮かび上がってくる素敵なお話でした。
後半から違和感がじわりじわりと自分の中で芽生え始め、家の扉を開けた時に「えええ!」となりました。
お弁当屋さんの言葉に気付くヒントはあったのに、そこでハッとしなかった自分が悔しい。
でも同時に坂水様の手のひらで踊っていた心地良さもあったりとなにやらぐるぐると混ざり合う不思議な感覚を味合わせて頂きました。
この作品に出会えてよかった。
そう思える素敵な作品でした。
ありがとうございました!