最終話
ゴリラ婆ちゃんは、普通にゴリラだった訳だけど性格や
料理の腕前は、まんま私の祖母そのままだったという事
実を受け入れて私は、帰ってきた。つい昨日まで一緒に
暮らしてたのに、何故か遠い過去の出来事に思えてくる
のは何故だろう。物凄い早さで過ぎ去っていった過去を
懐かしんでも仕方ない。人は生きてる以上「今」が一番
大事なのだから。そーよね、ゴリラ婆ちゃん。と思いつ
つスマホに撮り溜めた田舎写真を見返した
えっ!?
自分の目を疑った。あんなに沢山撮った写真に、ゴリラ
なんて何処にも写っていなかった。代わりに写っていた
のは小さい頃から見慣れた祖母だった。撮った写真全て
を見返したが全ての写真にゴリラは写っていなかった
分かりやすく混乱しドタドタと居間へ駆け込み母にも
確認する
「か、母さん!おかしいの!田舎で撮った写真にゴリ
ラ婆ちゃんが1枚も写っていないの!」取り乱した私
に朝食途中の父母は箸を止めた
「ゴリラ婆ちゃん?、あなた何言ってるの?シャキっ
としなさい休みボケなんて恥ずかしいわよ」母が冷静
に応えた。いやいや、貴方が私に紹介したのよゴリラ
婆ちゃんを!と続けるも堂々巡り。父は、何だ寝ぼけ
てるのか?と思ったのか再び音を立てながら納豆を
かき回し始めた。これは、本人ゴリラ婆ちゃんへ確認
するしか無い!と感じ急いで田舎の番号にかけた
「はいはい、おはよう。盆はありがとうねぇ」とゴリ
ラ婆ちゃんは電話に出た。私が身に起きてる事を伝え
ると電話先でゴリラ婆ちゃんは沈黙した。孫の頭がお
かしくなったのかと混乱してるのだろうか?
「狐様に化かされたんじゃねぇが?。狐様はイタズラ
好きだからねぇ」とまるでおとぎ話みたいな返答が返
ってきた。病院へ行った方が良いなんて言われなくて
良かった。ただただそう思った
「ごめんね変な電話しちゃって。来年また逢おうね」
冷静さを取り戻し祖母へ伝えた
「ええよ、ええよ。仕事しっかり頑張りなさいよ、
ゴリラ姉ちゃん」電話が切れた。ゴリラ姉ちゃん??
居間の鏡に映った立派なゴリラ姿の自分に仰天して、
叫び声を上げた。
終
ゴリラ婆ちゃん 右京 @vogue
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ゴリラ婆ちゃんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます