第15話

 今の心境としては、絶望と恥しかなかった。私の幼馴染が突然教室に入ってきたと思ったら、吾妻くんに体操服を借りる、からの自然な流れで奏太が私に思い切り良く話し掛けてくる、っていう。若干吾妻くんポカンとしてたじゃない!あんたが体操服借りたいって言うからわざわざロッカーのカバンの中から取り出してくれたのに、突然私と話しだす(碌に反応しなかったけど)から若干待ってたし。


―― 好きな人の隣になってから数日、ある意味過酷な状況にどうにかなってしまいそうな私は、きっとこの件で吾妻くんに認知されてしまったということ、緊張で上手く声も出せなかったこと、それだけで一生後悔出来ると思った。

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