第14話

と、宮部はその手前の人物にも目をつけたようで


あ、由紀乃ゆきの!……席ここなったん?


突然話を振られたからか、隣の女子は肩をびくりと震わせた。


―― まさか、自分まで声を掛けられるとは思ってなかったんだろう。

どことなく不自然な動きで奏太の方を見たあと、前の人彼女はこくりと1度だけ頷いた。



「明坂さん、困ってたな」

萩野が言う。

うん、困ってた。


―― ただでさえクラスの中で目立つ俺らの近くである事に加え、乱入してきた他組の男子に大声で話しかけられたんだから。

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