第6話 杞憂

同じクラスの奴は、派手はでな奴は思っていたほどおらず、一先ず安心した。


・・・杞憂だったかもしれない、と胸を撫で下ろしたのが一昨日のことである。


 でも、異性を近づかないようにすることはできようと、他人ひとの好意はどうにもできない。


 だから、同小の奴に、誰々が「の所見てる」と言われて心底無心になったのを覚えている。


 あと、その日の体験入部で『可愛い子とかいる?』なんていう、ありきたりな話題が帰り道で出た時、女子の顔を全然覚えていなかった俺は、話に興じるフリをして、内心ずっと上の空だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る