第3話

まずは今まで得た情報を整理していく。


「私に協力して欲しい事があり、死んだ私の魂をここへと運んだ。


仕事先はいわゆる異世界で剣と魔法の世界。


そしてその異世界に転移、もしくは転生した後に熟すべきミッションがある。


その為には貴方は出来得る限りの協力をしてくれるという話でしたね。


その出来得る限りの協力と熟すべきミッションというのをお聞かせ願いたい」


こういった展開になる小説や漫画を読んだ事は無い訳ではない。


だが、私はそういう事に即答し、世界を救える様な器も若さも持ち合わせてはいない。


目の前にいるおそらくは神、もしくはそれに類する何かには私の我儘に付き合って貰ったので協力するのは吝かではないが、あまりにも無理難題を押し付けて貰っても困ってしまう。


私は出来ない事を出来るとは言わない。


そんな事を言って出来なかった場合、相手を深く傷つけてしまう事を知っているからこそ簡単に頷く事は出来ない。


「なかなか慎重な人ですね。


それでこそ選んだ甲斐があるというものです。


貴方には異世界に転生して頂き、世界中を巡ってもらいます。


そこで貴方には各地で起こっている問題を解決して頂きたいのです」


「…その世界での問題はその世界の中で解決する方が良いのでは?」


「それが普通のならばそうでしょう。


ですが事はそう簡単ではありません。


これはこの世界の根幹に関わる問題でもあるのです」


「そこまでの事なのですね、解りました」


「その理由は…………


という事ですが解って頂けましたか?」


なるほど、それが事実なら確かに外からも人が必要な理由も解る。


そしてなかなかに大変な仕事でもある。


「それでは貴方の望む事をお聞かせ下さい」


「それでは…」


Q.前世では障害や持病の為に苦労し、今回もそのままだと仕事に影響があるかもしれないのでそれを治して欲しいが出来るのか?

→A.可能です。元々異世界に転生するにあたり、身体を作り替える必要がある為前世の持病や障害を治し、経験等を見合ったスキルに変換するつもりでした。


Q.自分の身体を前世と同じ年齢、容姿で異世界に転生する事は可能かどうか?

→A.可能です。お望みであれば赤ちゃんから始める事も出来ます。


「それでは最後の望みです。


最初に特別強い能力等は要らないので『時間』を頂きたい」

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