第2話
「……幾つか質問しても?」
「あら、意外と落ち着いているのですね。
もっと取り乱すかと思いましたが」
「正直に言うと混乱しているのは事実です。
しかし、自分の死因を見ていたかの様に詳細に話されると真実味も増します。
それで質問ですが…」
Q.自分をある意味助けたという言葉はどういう意味か?
→A.ある事に人手が必要になり、勝手ながら貴方を選ばせて頂きました。その際に貴方の魂をこちらに運び出しました。
Q.そのある事とは?
→A.私達には手が出せない問題で第三者の協力な必要な事案です。
選んだ理由は条件に貴方が当てはまっていたという事で納得して下さい。
Q.仕事の内容を聞かせて頂きたい。内容次第では協力出来ない。
→A.貴方の世界で言う異世界に行き、各地を巡って貰いたい。もちろん出来る限りの協力はさせて頂きます。
Q.必ずしなければいけないミッション等は?
→A.ある事はありますが、それ以外は自由に過ごして頂いて構いません。
Q.その異世界とはどんな所なのか?
→A.貴方の世界でいう剣と魔法の世界です。
「とりあえず思いつくのはこの位ですね」
「他に何か聞きたい事はありますか?」
そう言われて思いつくのは生前に世話になった人や身内がどうしているかだ。
自分が生きていた時は持病や持っていた障害のせいで苦労をかけてしまった。
特に恋人には辛い思いをさせたと思う。
「自分の死んだ後の親しい人達の事を教えて頂けますか?」
「それに関してはご自分の目で見た方が良さそうですね」
女性が指を鳴らすと空中にモニターの様な物が現れ、映像が流れる。
どうやら向こうでは納棺される前の様だ。
涙を流している親族や身内の姿。
そこに恋人の姿があり、遺体となった自分を膝枕し、頭を撫でてくれている。
「お疲れ様、今までよく頑張ったね。
しんどかったよね、ゆっくり休んで」
「相棒、おれ達ゃまだまだやる事がいっぱいあってこれからだろうが。
馬鹿野郎が…やる事全部きっちりやったら俺もそっち行くからよ。
地獄で会おうぜ」
はは、まさか約束した事を覚えてくれてるとは…。
相棒に関しては地獄では会えそうにないな、すまない。
なかなか良い葬式になりそうだ、もうこれ以上見る必要もないだろう。
「ありがとうございました、もういいです」
「貴方は良き縁に恵まれていたようですね。
余韻に浸りたいかもしれませんが…」
「解っています、話をしましょう。
私のこれからやるべき事について」
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