第10巻「熱帯夜と超音波マッサージとその他」

 ここは、

 無人ゆえに誰にも読まれることのない資料が溢れているところです。

 長い間、誰にも読まれることがなかったため、自らに書かれた内容すらとっくに忘れてしまった資料たちがここにいます。

 おや?

 どうやら、誰もいないはずの無人資料館に誰か迷い混んだようですね?

 あの人はどんな資料を手にして、そこにはどんな内容が書かれているのか、観察してみましょう。




【熱帯夜について書かれた資料】

 熱帯夜とは、大人の男女の熱い夜である。

 大人同士の熱い夜、それはセクシャルでエキゾチックでミステリアスな夜。

 夜の闇が世界を覆う時、男と女は出会い、一晩のアバンチュールを楽しむ。

 そして、夜明けと共に想い出となる。

 昼は仕事でマキシマム。

 夜は欲望と言う名の墓場でマキシマム。

 今夜もまた男と女が出会い、そして、夜明けと共に別れる。

 グッナイベイビー………

 熱帯夜とは、大人の男女の熱い夜である。




【超音波マッサージについて書かれた資料】

 超音波マッサージとは、ソニックブームからのサマーソルトキックである。

 通常なら溜めが必要なソニックブームとサマーソルトキックも、意思を持たないカセットの中の住人には関係なく、溜めなど無くても容赦無く放ってくる。

 それはもはや人間業ではなく、マキシマムしてもおかしくない芸当である。

 超音波マッサージとは、ソニックブームからのサマーソルトキックである。




【バランについて書かれた資料】

 バランとは、食品と食品を仕切る葉っぱのような肉のことである。

 主にお弁当などに使われ、青一色のお弁当に赤や緑の色彩を持たせるのがバランの役目であり、使用法である。

 赤いバランと緑のバランは古くは数百年前から存在するが、青いバランは最近まで存在していなかった。

 その理由は通電の悪さだった。

 従来のバランの技術では、青いバランはなぜか通電が悪く、お弁当に対して予期せぬマキシマムをすることがあるため使うことができなかった。

 しかし、近年の技術の進歩により、青いバランでも通電が良いものが開発されたため、近年のバランはよりカラフルになっている。

 バランとは、食品と食品を仕切る葉っぱのような肉のことである。




【マヨネーズについて書かれた資料】

 マヨネーズとは、伝説の三人組アイドルグループである。

 詳しい話は省くが、マヨネーズは活動期間たった二週間で全世界で百二十六兆円の経済効果を生み、世界経済を震撼させた。

 しかし、マヨネーズのリーダーであった高峯・マヨネー・莉嘉が活動開始から十日目の全世界生放送のインターネット番組の放送中に突如引退を宣言すると、同じくメンバーの山下・マヨネー・沙希、畑山・マヨネー・詩織の両名もそれに合わせて引退を宣言し、その四日後に全世界から惜しまれながらも引退した。

 引退の仕方や活動期間の短さのわりに国を変えるほどの経済効果を生んだことなどを始めとして、様々な伝説を残したマヨネーズだが、その中でも引退当日のラストライブの全世界生中継の際、冒頭の挨拶だけで老若男女問わず全世界の視聴者の八割がマキシマムに陥ったという伝説はあまりにも有名。

 ちなみに、マヨネーズの三人が残した最後の言葉は『私たち、普通のウスターソースに戻ります!』である。

 マヨネーズとは、伝説の三人組アイドルグループである。




【ニコチンについて書かれた資料】

 ニコチンとは、男女問わず二個のチ○コを持つ人間のことを指す言葉である。

 生えている場所は個人差があり、股間に二つ生えている者、一つは股間でもう一つはおでこ、左肩と右肩に一つずつ生えている者も確認されている。

 なぜ二個のチ○コが生えているのかはよくわかってはいない。

 特に女性のニコチンの場合、上記に記した様にシンメトリーになるように生えていることが多く、本当に意味がわからない。

 恐らくはマキシマムの影響か、あるいはマキシマム・ジ・エンドの後遺症と考えられているが、それも定かではない。

 ニコチンとは、男女問わず二個のチ○コを持つ人間を指す言葉である。




「ちょっと!ふざけないでよ!なによこれ!完全にセクハラじゃないの!こんな資料は家に持って帰って燃やしてしまうわ!」




 おや?

 資料を持って帰ってしまいましたね。

 無事に帰れるといいのですが…

 もし、皆さんが無人資料館に迷い混んだときは、皆さんの手で正しい内容に直してあげてください。

 私?

 私はので資料を開くことはできません。

 久しぶりの人のお客さんが来て、書かれた内容を読んでもらえたので資料達も喜んでいます。


 では、次のお客さんが来るのをお待ちしています。



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