第9巻「ラーメンと美人薄命とその他」
ここは、無人資料館。
無人ゆえに誰にも読まれることのない資料が溢れているところです。
長い間、誰にも読まれることがなかったため、自らに書かれた内容すらとっくに忘れてしまった資料たちがここに棲んでいます。
おや?
どうやら、誰もいないはずの無人資料館に誰か迷い混んだようですね?
あの人はどんな資料を手にして、そこにはどんな内容が書かれているのか、観察してみましょう。
【ラーメンについて書かれた資料】
ラーメンとは、白い粉と骨で作る芸術品である。
まず、骨は砕かれて骨髄を露出される。
そして、水と共に鍋に入れられて長時間火にかけられる。
骨は
一方、白い粉もまた水と混ぜられて捏ね回され叩きつけられる。
その後、泣いても喚いても許されずに叩きつけられた白い粉は、切り刻まれてマキシマムする。
最後に骨によって濁った水、もといお湯と共にされて白い粉と骨はラーメンとなる。
ちなみに、ラーメンという芸術品が完成した後は通行人に向けて投げつけるくらいしか利用法はないが、まれにペットとして可愛がる者もいる。
ラーメンとは、白い粉と骨で作る芸術品である。
【美人薄命について書かれた資料】
美人薄命とは、入院中の婦警が使った蹴り技である。
それは、十九世紀末のことだった。
痔(疣痔)で入院した美人の婦警は自らを不治の病と勘違いして世の中を憂いていた。
しかし、ある日、自らを痔だと知った婦警は、そんはずはないと言い張り、空高く舞い上がった後にマキシマムを伴って落下し、医者を蹴り飛ばした。
それが美人薄命という技である。
美人薄命とは、入院中の婦警が使った蹴り技である。
【アンケートについて書かれた資料】
アンケートとは、人前で眠る仕事のことである。
一見すると人前で眠るというだけで簡単そうな仕事だが、それはとんだ間違いであり、アンケートはとても大変なことである。
数千から数万人が常にその姿を監視し続けている中で眠るということは、睡眠中のマキシマムを妨げることになり、生物として不安定になることに繋がっていく。
アンケートとは、人前で眠る仕事のことである。
【ナマハゲについて書かれた資料】
ナマハゲとは、髪型である。
一般的にハゲ頭と言われる人はハゲ頭という髪型であり、ナマハゲではない。
しかし、自ら髪を剃ったあとでマキシマムしてハゲ頭となった者はナマハゲとなる。
一度でもナマハゲとなると、もはやハゲ頭に戻ることもフサフサのウェービーヘアーになることも叶わず、正義の名の元に悪を懲らしめるナマハゲとしてこの世とあの世の狭間をさ迷うことになる。
ナマハゲとは、髪型である。
【みどりの日について書かれた資料】
みどりの日とは、地球が植物に支配される日のことである。
紀元前六千年頃、とある予言者がある言葉を残している。
それは、以下の通りである。
『今から九千二百年後、地球に一つの新種の植物が誕生する。その植物は海水を栄養源として一週間で長さ六百キロメートル、高さ二十キロメートル、重さ二兆トン余りとなり、地球を歩き回るだろう。そして、それから四日で地球はその植物に支配される。それがみどりの日である。』
みどりの日とは、地球が植物に支配される日のことである。
「ナマハゲって、生の禿げってこと?この資料、バカじゃないの?」
おや?
読んでいる途中で帰ってしまいましたね。
無事に帰れるといいのですが…
もし、皆さんが無人資料館に迷い混んだときは、皆さんの手で正しい内容に直してあげてください。
私?
私は人ではありませんので資料を開くことはできません。
久しぶりの人のお客さんが来て、書かれた内容を読んでもらえたので資料達も喜んでいます。
では、次のお客さんが来るのをお待ちしています。
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