25.公式戦初登板②
「3番、ファースト、小山内。背番号33。」
「「お帰り、小山内!」」
「頼むぞ、小山内!」
地元出身の人気選手ということもあって、あちらこちらから声援が小山内に飛ぶ。ケガの為に2軍に居る様だが、昨シーズン打率.326を記録した球界屈指のバットコントロールの持ち主だ。
——小山内健次。首位打者争いにも絡んでくる球界屈指のヒットメーカーだな。甘いところにいったら確実に仕留められるぞ、気をつけないと。
初球のサインはスクリュー。インコースをえぐる様なコースに投げられるならベスト。
セットポジションから大きく右足を振り上げて、クロスステップで踏み出して、体の回転を腕に伝えてビュッと振り抜く。左腕から放たれたボールは、クロスファイアの軌道を描きながらバッターへ向かう。が、左バッターの背中側からクロスファイアの軌道を描きつつあったボールが、ククっと内側に曲がり落ちていった。
——ちょっと高いか!?
バシィィッ!
鈍い音と共に、バットヘッドが一塁線に飛んだ。
力なくボテボテっと転がったボールは、一塁側のベンチ前へ。
不思議そうに手元に残ったバットを見つめながら換えのバットを取りにベンチへと小山内が向かう。
——あれ? 小山内さんもそんな反応するのか?
滑り止めのスプレーを新しいバットに吹きかけて、再び左のバッターボックスに入る。
サインは外に逃げていくスライダー。空振りを狙うボールだ。
サイドスローから、ストレートと同じ腕の振りでスライダーを投げ込んでいく。
小山内がステップした足を踏ん張り、バットがしなる様に弧を描く、かに見えた。
手首が返る寸前で、スイングがビタッと止まった。小山内が柔らかくリストを使って、バットをくるくると回す。
「スイング!」
内山が三塁の塁審に確認を求めた。が、三塁審は両手を横に広げてスイングしていないとのジェスチャー。
——これがプロで活躍するバッターの選球眼か……。これ振ってもらえないとなると、苦しい組み立てになってくるな……。
振って欲しかったボールに、反応はしてきたものの見極められた。とは言えまだ1ボール1ストライクの平行カウント。次の1球で追い込めれば圧倒的に投手側が有利になる。
サイン交換を済ませて、セットポジションに入る。サインはインコースのストレート。足をセカンドベース方向まで振り上げる独特のテンポから、思いっきり腕を振り抜く。
——ヤバっ! 真ん中行った!
カァァァァン!
芯でしっかり捉えられた。顔面の高さに、強烈なピッチャー返し。
「のわあっ!」
慌てて顔をグローブで覆い、尻もちをつく。
辛うじて避けたライナーは、そのままあっという間にセンターへ。バッターランナーの小山内は、少し大きめにオーバーランするも一塁ストップ。
——打球はっや! これが1軍クラスの打球……!
「良いボールは来てるよ! 思いっきり投げてこい!」
内山が大きく頷きながら、主審から受け取ったボールを渡してくる。
「ファーストランナー、小山内に代わりまして、
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