名称:削除済み


名称:(削除済)

分類:動物と思われる

生息地:Y県の山中にて確認

寿命:不明。

体長:200センチ~250センチ

体重:不明。

食性:自らが覆い尽くせる大きさの動物。人間を含む。


詳細

 (削除済)はY県山中にて確認された存在である。

 外見は、体長は200センチ~250センチほどの動き回るぶよぶよとした塊であり、その体色は白から灰色。

 移動速度は遅く、最高でも人間の歩く速さと同程度。

 食性は雑食。他の動物を自らの身体で完全に覆い尽くし、溶かすことで捕食している。観測された範囲内では、複数種の虫、ウサギ、犬、人間が捕食されている。

 意思、知性の有無は不明。

 複数個体が存在するかは不明。確認されている個体は一体のみである。

 鳴き声は無し。発声期間の存在は認められず。


調査

 食性の調査のために、肉、魚、野菜、木の実、薬物を与えて食性を調査したが、動物肉以外を食べる様子は無し。調査中の事故により、調査委員一名が殉職。そのまま捕食される。

 体細胞組織の採取のために、ライフル銃による攻撃を行う。銃数発が命中するものの、貫通はゼロ。弾丸は数秒後に排出された。

 行動を止めるには至らなかったが、衝撃で僅かに弾け飛んだ肉片を採取することに成功する。


追記1

 Y県にはかつて、姥捨の風習があり、(削除済)の生息している山はいわゆる姥捨山であったと言われている。

 これは山中に存在する神への生贄の風習が変化したものである可能性がある。神への生贄の対象が老人へと変化し、その後に神への知識が失われたのだと考えられる。

 かつて信仰された神と(削除済)が同一個体だとするのならば、確認された(削除済)は少なくとも500年は生き続けていることになる。


追記2

 (削除済)の体液を回収。構成物質は動物のそれと同類である。遺伝情報は驚くべきことに人間のそれに酷似している。人間が変質したものである可能性、或いは、有る種の奇形であった可能性が考えられる。

 更なる研究を進める。


追記3

 (削除済)に関する文献を発見。(削除済)は(削除済)により生まれた奇形を、Y県山中へと遺棄した存在が成長したものである事が示されている。

 (削除済)とは(削除済)の変形である可能性が高い。

 (削除済)の家系からこのような人ならざるものが生まれた理由は不明である。(削除済)がかつて(削除済)である事が可能性として考えられるが確証はない。


追記4

 (削除済)の研究を中止。

 名称から(削除済)へと繋がる可能性があるため、(削除済)の名称を資料より削除する。

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