七 君が見たがった涙が知らぬ間に零れた、もうじき夏が終わる

夏が死ぬ。死ぬには早い。けれど死ぬ。


あなたの涙、私に見せて。絶対に見せないように、してるもの。


そう言ったのも夏の日だった。


ふた月ほど遅れて、涙が落ちた。


いまさらだけど、これでいいかい。



 ―― 君が見たがった涙が知らぬ間に零れた、もうじき夏が終わる





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歌集『夏』 せっか @Sekka_A-0666

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