第二話 朝餉の事
それこそ暗いうちに寝床を離れ、仕事場の掃除に掛かるのが、躾の始まりに御座りました。
一日でも二日でも、先に
なれば一言の言い訳も、赦される相手では御座りません。
ああせよ、こうせよと、命ぜられれば意のままに、動かねばならぬのは、新参者の立場と言うもの。
不平不満は、ご法度で御座ります。
峰はしっかり者で御座りまするが、性根は至って素直で御座りました。
それが故に、日にちが経ちます毎に、皆様から可愛がられるようになったので御座ります。
さてさて、朝の掃除が終わりましてから、やっと
頂ける順番は、丁稚からで御座ります。
初めて頂いた粥に、自分の目玉が映った時は、泣きたい思いで肩を落とした峰で御座りました。
丁稚が終われば職人へ、手代や番頭を経て
なんとも哀しい事で御座りました。
これも皆、試練で御座りましょうか。
丁稚のあいだは、
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