第1部 学園編

第1話

と、昨日はいきなり衝撃的なことを言われたわけだが、今日は休みのはずなのに学園に入るためにいろいろと準備しないといけなくなったので休みじゃなくなった。

くそぅ。今度会ったらあの親バカ親父に嫌がらせ魔法をかけてやる。


ピンポーン。


誰だよ。こんな時間帯に来る奴なんていないはずなのに。あいつらか?いやでもあいつらは朝に強い奴らじゃねぇからな。除外っと。一番あり得ないのは姫様だよな。これも除外っと。


ピンポーン。


「はいはい。今開けますよ。」

そこにいたのは、一番あり得ないと思っていた姫様だった。

うん。いつ見てもかわいいな。いや、そうじゃなくて。

「えーと、なぜ護衛を付けずにここまで来られたのですか?それもこんな朝に。」

「こんな王城から3分もかからないような場所に護衛を引き連れてくる必要があるのかしら?あとあなたアーカイブスなのよね?だから、魔法とか教えてもらおうと思ってきたのだけど。」

「まぁいいですけど。それよりまず朝飯食ってからでいいでしょうか?」

「いいわよ。あと敬語は無しっていったわよね。次敬語を付けて話したら父様から聞いたあなたの黒歴史全て国中にばらまくわ。」

やべぇ。この王女目がマジだ。

「わ、分かった。」

とりあえず、トーストだけでいいか。とっとと焼いて食おう。時間かけるとマジでやりかねん。

「で、何を教えてほしいの?教えてくんないと今日の方針立てらんねぇから。」

「試験が筆記と実技なのは知ってる?今日から3日後の試験まで実技の方を教えてほしいのだけど。」

「了解。そんじゃ、俺たちの使う訓練場でいいか?」

「ええ。いいわよ。」

よし、飯も食ったし着替えていくか。

「じゃあ、着替えてくっから玄関に行ってて。」

さて、実技ならいつもの格好でいいか。ついでに実家から送られてきた〈これさえあれば怖くない~入試編~〉てやつも持ってくか。これさえありゃ、筆記ぐらいできるでしょ。だってこの本作ったの姉だもの。

あっ、ついでに家族への手紙も持っていこう。妹たちは確か国立学園の中等部に通ってるから気が向いたら顔を出すことにしよう。

そうこうしているうちに30分が経っていたらしく玄関で姫様に怒られちまった。

うん、これは俺が悪かった。

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