2章 新たな場所で
お戯れ①
レガード専門校。
国内にある11の専門校でレベルが一番したの学校と巷では言われている。
理由は幾つかあるものの、一番は学生の身分。
在学生の3/4が庶民であり、貴族家の者が他校に比べて圧倒的に少ない。
また、在学の貴族生徒もある意味の問題児たちが多く、レガード専門校は別名『
そんなところだが、学問を学ぶ場所としては貴重な場所であり、警備もそこそこ。
一番大きな正門には、常に2人の門番が守っていた。
「今年もたくさんの学生だな、ラッチ」
「あぁ、そうだな。これで8回目の新入生お出迎えだ」
門番の2人はこの職についてから既に7年経つ。
勤務は日中、夜間で別れており、週ごとにもうひとチームと交代するようなものだ。
給料は庶民が暮らすにしては少し多く、多少の危険手当があるから天職と言う人もいる。
あと10分ほどで入学式という頃、校門を潜るものは誰もいない状態となっていた。
「今年の新入生、顔ぶれを見た感じ、また一癖二癖ありそうだったな。中には美男美女が要るから一様には言えないが」
「その分析方法をいい加減止めろ、失礼だろうが。相手が貴族だったら、俺たち平民は直ぐにこの世とおさらばだぞ?」
「ラッチと俺以外が居ないからこう話しているんだよ。どうせ暇なんだし、問題ないだろ」
「そういう問題じゃないんだかな」
ラッチと呼ばれている男はため息をする。
「あのな、テハ『おい、あれ……』―――なんだよ」
ここはキチンと言っておくべきだと相方のテハが叱ろうとしたところ、ラッチは学校と反対方向を向きながら指さしている。
テハも釣られてそちらを向いてみると、遠くで何かが近づいてきているのが見えた。
「なんだ?
まだ着いていなかった学生でもいたのか?」
「でも、あんな遠くじゃあ……おいおい!」
まだまだ遠いと思っていたそれは、話しているうちにも大きく見え始める。
人が走って出せるスピードじゃない。
二人は慌てて入り口に立ち、大声で叫ぶ。
「そこ~~~! とまれーーー!!!」
「お前たちはレガードの学生か!!!」
高速で移動するもの、人たちはこちらに気付いたのか、スピードを落としていく。
そして、門番たちの手前3mで地面に降り立ち、少年が笑顔を向けてくる。
「に、入学式に間に合いましたかね?」
「……お前たちは?」
「あ、突然ですみません。僕たち、今日からこちらでお世話になる新入生3人です。僕は、リクラって言います。
そして、こちらの二人が―――」
「ピア・ダリアントよ」
「マイア•シーシェルです、お願いいたします」
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