第8話 邂逅/Encounter
「お前……浩也か……?」
「ああ、久しぶりだな」
エンジェルは浩也を見た瞬間、日常に戻ったかのように優しい表情を浮かべた。
「あのいじめられっ子の浩也が警察官か……不思議なものだな」
エンジェルはゲラゲラと笑い出した。狂っている。
「今日はお前に話さなければならないことがある」
真面目な表情で浩也は語り始めた。
「お前、自分はなんだと思っているんだ?」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私はエンジェル。世界の終焉を防ぐために必要な天使」
「私は……」
「もういい、目覚めろ」
浩也は魔術師のように、催眠を解きその場でため息をついた。
「お前の任務は終わった。世界の終焉は防がれたんだ。君は学校の頂点に立ってもいないし、女にモテてなんかいない。君が思い描いていた世界は、妄想であり俺の催眠だ」
静寂
「大体おかしいと思わなかったのか? 筋トレ?心理学?そんな陳腐なもので人間の王になれるとでも思ったのか?」
エンジェルは奇声を発しながら、言葉を紡いだ。
「で、で、でも。俺には涼子がいた……カラオケにだって誘われたことがあるんだ……それは間違いない事実」
「ああ、事実だ。だが、その女も涼子も俺がお金を渡して演じてもらった役者だ」
「なんだって……」
「あの日から、俺の計画は始まった。クソみたいな世界を壊すためには立役者が必要だったんだよ。俺は昔、病室で出会った女の子から優しさを教えてもらった。あの優しさこそがこの世の『救済』なんだ。そして俺が行うすべての行為はあの『救済』と同じ優しさだ。ありがとう。死んでくれ、エンジェル」
その瞬間、取調室のドアが開く。
「警部……いや、石川浩也容疑者、あなたのやっていることは犯罪です」
こうして浅川浩也(石川浩也)は、大人しく手を差し出し捕まった。
こうして物語の幕は閉じた、はずだった。
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