悪口の花



 水を含んだタンポポの綿毛は重くなる。星が昇る軽さの丘で、冬の記憶と同時に沈む小さな花。日が透ける青空の窓へとかがみ、思い返すたびに葉を広げなおす心の在りかは、今は綿毛に集まるのだから。口を開けた雨の夜も、冷たい歯に挟まれるままでかまわない。動きの止まらない雲は、集まるほど強く回りだす。風が吹くのはその後の朝から、東に沿って影を剥がしながらの会話にしよう。飛ばない綿毛を振り落として、タンポポは強さを試す。風が来たら一度に大声をあげてしまう花の一生に、季節や時間は存在しない。

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