第2話
桜が散ってしまった中行われる高校の入学式。
必ず誰かが、「今年は雨のせいで桜が散ってしまいましたが....」
と言う気がする。
大体、桜が満開の中行われる入学式の方が稀ではないか。
またくだらない事を考えながら入学式を終えた。
教室に入ると、緊張した空気にそれをかき消そうとする担任のハキハキした声。
そうそう、これが定番のつまらない始まり。
私だって、夢を見たい。
隣にモテモテの人がいてその人と仲良くなって、あわよくば恋人になって、友達作って、部活頑張って、輝かしい光を見てみたいものだ。
だけど、まあ現実はそう甘くなかったようだ。
残念ながらモテモテと言われるような人はいなかった。まあ、友達は多くはないが並くらいには出来たから良しとするか。
そうやって、雲を払い除けるように妥協してわずかな光を浴びているつもりになっている。
全く幼少の馬鹿正直な無邪気な姿はどこに行ったのか。
誰が私を殺したのか。何がそうさせたのか。
誰も知らない。僕だって知らない。
ただ、あの頃に戻れたならきっと.....
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