TR-36 - The Moon Struck One

 この数年、来る日も来る日もTVや雑誌、ミュージックビデオで目に焼きつけ続けた存在を前に、男は歓喜した。

 夢にまでみたその美しい顔が、訝しげに眉をひそめて後退る。男は興奮気味に笑みを浮かべたままポケットから小さなスプレーを取りだすと、腕を目一杯伸ばしそれを顔に向け、吹きかけた。

 うわっと手を翳して避け、逃げようとするのを慌てて追う。がらんとした部屋を横切る途中、テーブルにがんっと脚をぶつけた。間抜けな呻き声をあげてしゃがみ込む――その隙にエントランスのほうへ逃げようとしたのだろう。テーブルを廻りこみ、床にあった雑誌を踏んで滑った足を、男は捕らえた。がくんと尻餅をつき、手を振り解こうとくうを蹴る足が男の頭にヒットする。手が離れ、いざったまま後退し、立ちあがろうとしたその隙に、男は膝のあたりに飛びついた。再び尻餅をつき、フローリングの床に縺れあうようにして倒れこむ。

 男は、しがみつくように捕らえていた脚の上で躰を起こした。そこに落ちていたタオルを手に取り、その恐怖と混乱に引き攣っている顔に向かってもう一度スプレーを吹きかける。目と口を閉じて逸らす顔を、今度はしゅっしゅっと二、三度吹きつけたタオルで覆い、しっかり押さえた。暴れようとする躰の上に馬乗りになり、空いている右手で左手首をしっかり握り床に押しつけると、抵抗しようと背中を打っていた右手が程無く力を失って、ずるりと床に落ちた。

 男は息を切らしながら、よし、やったぞと満足気に笑った。はぁはぁと鼻息を荒くしながら、瞼を閉じても美しいその顔をうっとりと見下ろす。そうして男は口許に当てていたタオルを放ると、その白い頬や形の良い唇を舌舐りしながら撫で始めた。

「ああ、テディ……やっと来たぞ。やっと君に会いに来た……。こんなに美しいからってルカやユーリを手玉に取って、ドラッグにまで手をだすなんて……悪い子だ。お仕置きをしてやらなくちゃ――」

 男はかぶっていた帽子を取り、ごくりと生唾を呑みこみながらシャツのボタンに手をかけた。ひとつ、ふたつと外して胸許をはだけ、そこに手を滑りこませて撫でまわす。

「ああ……綺麗だよテディ……。想像以上だ、なんて滑らかな肌なんだ……やっと君のすべてを僕のものにできるんだ――」

 そんなことを呟きながら、男はがばっと白い喉許に喰らいついた。

 興奮のままに舐めたり吸いついたりと、男はずっと妄想していたことを実現し悦に入っていたが――ふと、なにかに気づいたように顔を上げた。

 あちこち弄っていた手を白い肌から離し、不思議そうな顔でじっと見下ろす。

「テディ……?」

 男は胸許を凝視し、再度そこへ手をあてた。しばらくそうして眉根を寄せ、今度は鼻と口のあたりに手の甲を当てた。首を傾げ、更に躰に覆いかぶさると、耳を左胸にぴたりと当てる。

 その表情をみるみるうちに強張らせ、男ははっとしたようにそこから飛び退いた。

「う、うわっ……、し、死んでる――ひぃ……っ!」

 男は狼狽し、慌てふためいて四つん這いでそこから離れた。

 落ちていたスプレーに気づいて慌てて拾いあげ、がたんとまたテーブルにぶつかりながら、そこに手をついてやっと立ちあがる。

 ひゃああ、と奇声をあげながら、男は転がるようにその部屋から走り去った。




       * * *




 病院に着き、ストレッチャーが運ばれていくのを見送ると、ルカは待合にあるクッションの薄い長椅子に力無く躰をあずけた。

 周囲を見渡してスマートフォンを取りだし、先ずロニーの番号をコールする。呼びだし音をいくつか数えたが応答がなく、何度もかけ直す気力もなかったルカは、メールを入れておくことにした。

 『前と同じ病院にいる』――その短い文面で、なにがどれだけ伝わるとも思わなかったが、それ以上どんな言葉を打てばいいのかわからなかった。カーボンコピー  Cc  機能でバンドのメンバー全員にも同じメールを送り、ルカは見憶えのある奥の扉や白い壁や、大きな掲示ボードをぼんやりと眺めた。

 院内は人気ひとけがなく静まりかえっていて、ルカは今日が日曜日であったことに初めて気づいた。以前ここに来たときも同じようにしんとしていたが、あれは確か夜だったと記憶を辿る。ルネが運びこまれた部屋のほうを不安な気持ちで見つめて待ちながら、ここでテディの手を握ったのだったなと、ルカは目を細めて記憶をなぞった。

  ――不意に視界がぼやけた。

 放心したようにぽたぽたと滴り落ちる涙の粒もそのままに、ルカはいろいろなテディの表情を思い起こした。初めて会ったときの野良猫のような警戒した顔、同じ趣味だったCDをみつけてからの懐き様。ピアノを弾いて聴かせたときの感嘆した表情と、自分もギターを弾いてみせてくれ、褒めたときの照れくさそうな顔――まるで昨日のことのように、そのときテーブルにあった菓子箱まで鮮明に思いだせた。

 夢に魘されていたのを起こしたときの怯えた子供のような表情も、初めてキスしたときの真っ赤になった顔も。あの日からもう何年も経ったなんて――そして、もうあの頃を一緒に思いだして笑ったりできないなんて、とても信じられなかった。

 たとえ恋人でなくなっても、ずっと友人として寄り添ったままでいるつもりだった。いろいろ問題もあったし、酷い出来事にも見舞われたけれど、それもなんとか乗り越えてきた。バンドという仲間でまだまだ一緒にやっていくはずだった……外見や印象よりも実はずっとしたたかなテディが、いつの日かその不安定さを拭い去って幸福を掴むのを見たかった。

 それがまさか、こんなところで終わるなんて。ルカはくしゃっと髪を掻きあげ、そのまま頭を抱えると声をあげて泣き始めた。

 誰もいないリノリウムの床に、ルカの嗚咽だけが反響していた。





 ここに来てからどのくらい経ったのだろう。ばたばたと響く足音にルカが顔を上げてそちらのほうを向くと、ドリューとジェシがやって来たところだった。

 ドリューはルカの表情を見てはっとしたように足を止め、ジェシも眉をひそめて周りを見まわした。

「なにがあったんだ」

 ドリューの問いに、ルカはすぐに答えることができなかった。なにがあったのか、ルカにだってまだわかってはいないのだ。わかっているのは、自分が駆けつけたときには既にもう、逝ってしまっていたということだけだった。

「ルカ、頼む。なにがあったか教えてくれ……この病院にいると知らされただけで、なんだか厭な予感しかしていないんだ。おまけに、おまえのその顔だ。いったいなにがあったんだ」

 ルカは、もう涙も枯らした表情を失った顔で、ぽつりぽつりと話し始めた。

「……まだロニーに連絡がつかないんだ……。そういえば、いちばんに飛んできそうなユーリもまだ返信もなにもないな……、なにやってんだろうなあいつ。短気なくせに、こんなときにぐずぐずと……」

 それを聞いてジェシが手で吐き気を堪えるように口を押さえた。ドリューもまさかという顔で、以前ルネが運びこまれた部屋のほうを見やる。

「……テディが……、テディがどうかしたんですか……」

 震える声でそう訊いてきたのはジェシだった。ルカは焦点の合っていない目を彷徨わせ、ゆるゆると首を振った。

「わからない……わからないんだ。……テディから電話があって、ユーリが例のビデオレターの変態野郎をバイクで追っていったって……。俺を呼べって云われたって云うんで、フラットに行ったら……」

 そこまで話し、ルカはスイッチが切れたように項垂れた。

「ルカ、フラットに行ったらどうしたんだ。しっかりしろ、あの変な男にテディがなにかされたのか。怪我をしたのか? どうなんだ」

「……ん……た」

「なんだって?」

 ルカはおもむろに顔を上げ、感情を置き忘れた声で淡々と呟いた。

「……死んでたんだ」

 ドリューとジェシが息を呑む。

「嘘でしょう?」

「死んでた。俺は間に合わなかった……まだ手は温かかったのに。なにがあったのかはわからない。でも――」

 声も出せない様子で、ドリューとジェシのふたりはただその場に立ち尽くした。そのとき、ようやく奥の扉が開いた。三年前と同じように、看護師がひとりこっちへ向かって歩いてくる。違うのは、まだ医師と警官の姿がないことだけだった。

「ご遺体の検案が終わりました。……ご家族の方に連絡は」

 遺体という言葉に、あらためて打ちのめされる。

「……家族は……、家族と呼べるのは俺たちと、あと何人かの仲間だけだ……」

「肉親や同居する方はいらっしゃらなかった?」

「いないよ」

「そうですか。……ご遺体と対面できますけど、どうします?」

 ルカは返答できなかった。逢いたい、もう一度顔を見たいと思う気持ちがないわけがない。だが、怖ろしかった――もう自分を見ないことを、言葉をかけても応えないことを確かめるだけだとわかっているのに、会ってどうしろというのだろう。そういえば、とルカは思いだした――ルネのとき、ユーリももうあの部屋には入らなかった。だが――

「ああ、逢いたい」

 ドリューがそう返事をしてしまった。ルカがなにも云わずにいると、看護師はドリューに向かって話を続けた。

「それから、不審死ですので、あとで警察の方からいくつか質問があると思います」

「死因はなんだったのか教えてくれないか」

 ドリューが尋ねると、看護師は手にしていたクリップボードを見ながら、事務的な口調で答えた。

「ヘロインを使用した形跡がありました……それと、ハロタンという吸入麻酔薬も検出されています。それらを同時に摂取したことによる呼吸不全、心停止が死因と思われます。あと、死因とは関係ありませんが後頭部に打撲創が認められました。麻酔薬を嗅いで昏倒したときに、どこかにぶつけたのではないかというのが先生の見解です」

 お気の毒です、と事務的な口調を和らげるように付け足された言葉も、やはり同じように事務的に響いた。人の死に慣れるとこんなふうになるのだろうか。それとも、もとからの性格なのかもしれない。

 ではこちらへ、と促され、ルカとドリュー、ジェシの三人は、血の通っていないロボットのような看護師についていった。最初に入っていった処置室からいつの間に移されたのか、更に奥にある小さな部屋に案内される。中には幅の狭いベッドがあり、その上に白い布がかけられたものが横たわっていた。

 三人はどうしたらいいのかわからないようにしばらく動かなかったが、やがてドリューが意を決したようにベッドに近づき、顔にかけられている布をそっと捲った。

「テディだ……」

 どこかのスイッチが切れているかのように、ルカはその死に顔を見てももうなにも感じなかった。ドリューは確認したきり表情を失って黙ってしまい、ジェシは思いきり顔を歪めて頭を左右に振り、ぼろぼろと泣きだした。

「そんな……」

 壁際にある長椅子にぺたんと坐りこむと、ジェシはがっくりと肩を落とした。ドリューは悲痛な面持ちで、その美しい眠っているような顔を暫し見つめたあと、白い布を元に戻し、ジェシの隣に腰掛けた。

 そのとき、こんこんとノックの音がして扉が開いた。ドリューが顔を上げると、見憶えのある三十代後半くらいの看護師を押し退けるようにして、頭に包帯を巻き松葉杖をついた病衣姿のユーリと、ロニーが部屋に飛びこんできた。

「ユーリ! どうしたんだおまえ、その怪我――」

「俺のことはいい! テディは――」

 云いかけて、ユーリは眼の前にあるベッドの上の白い膨らみを見た。

 目を見開き、信じられないというように頭を振り、ユーリはかたんと杖ごと壁に背をつけた。

「……嘘だ。嘘だろ……。テディが死んじまうなんて……、そんなことがあっていいわけない」

 ロニーも大きく目を見開き、両手で顔を覆っていた。ドリューが椅子から立ち、ユーリの肩に手を置くと「ヘロインをやめられてなかったようだ……。そこへ麻酔薬を嗅がされたかどうかして、呼吸と心臓が止まってしまったらしい」と説明する。

 ユーリはそれを聞き、眉をひそめてドリューを見た。

「そんなばかな――テディはスマックはもうやってなかった。ずっと一緒にいたんだ、本当だ……。俺が疑ったとき、テディはやってないって云って、俺に怒ったんだ。やってたはずがない――」

 ドリューはユーリの顔を見ながら頷いた。

「そうだな……やってなかったのに、タイミング悪く一回だけ魔が差したのかもしれない。とにかく、そんなことはもういいから顔を見てやれ。眠ってるみたいな綺麗な顔だ」

「綺麗な……」

 ユーリは鸚鵡返しに呟くと、眉根を寄せ松葉杖をついてベッドに近づいた。

 そっと手を伸ばし、顔を覆っている白い布を取り去る。その死に顔を認めた途端、ユーリは目を瞬かせ、躰にかけてある布を捲った。

「ちょっとユーリ――なにする気なの」

 ロニーと看護師の制止を振りきり、ユーリは杖が倒れるのも気にせず遺体を横から起こして、着せられているガウンのようなものの襟をぐいっと下げた。

 やめてくださいと看護師に止められながら、目を大きく見開いて振り返り、一言も発さず身じろぎもしないルカを見る。


「……テディじゃない」


「――なんだって?」

 ユーリのその言葉に、最初に反応したのはドリューだった。

 杖を持ち直させながら、ユーリが気違いじみた真似をするのを止めている看護師に「ちょっと確かめさせてほしい」と断って、ドリューはそっと遺体の背中を見た。

「……本当だ。タトゥーが……フェニックスがない」

「もっとよく見ろ。ピアスだってしてない。ホールだってないだろう」

「……え、なに、なにを云ってるの……。テディじゃないって、え?」

 次にロニーが動いた。ベッドの周りにはドリューとユーリと看護師がいて、同じように背中を覗ける位置まで出るのも焦れったく、ロニーは右腕の袖を捲りあげ、中を覗きこむようにして確かめた。

「……本当だわ……、これはテディじゃない……」

 右腕にも、あのテディの守護獣のような獅子のタトゥーは見当たらなかった。

 その言葉を聞いて、ようやくルカは正気に戻ったかのように顔を上げ、ベッドに近寄った。ユーリが一歩退いて場所を空けると、ルカはそこに立ち、同じように襟を下げて背中を見た。

 そこにはあの色鮮やかな鳳凰も牡丹も、なにも描かれてはいなかった。

 左に一つ、右に四つもつけていたピアスも、その痕跡すら確かにまったくない。

「……テディじゃない……、これはテディじゃないんだ――」

 困惑と安堵が綯い交ぜになった感情が一気に押し寄せてきて、わけがわからないまま壁に背をつける。タトゥーはともかく、ピアスに関してはなぜ気づかなかったのかが不思議なくらいだった。しかし――

「でも顔は、テディにしか見えないわ」

「ああ……そっくりだ。これはいったい誰なんだ?」

「でも……じゃあテディはいったいどこに?」

 そう云って四人が顔を見合わせていると、廊下でひっという小さな悲鳴が聞こえた。

 そっちを見やると、今しがたユーリとロニーを案内してきた看護師が、幽霊でも見たように顔を引き攣らせていた。

 まさかと思ったとき、ロニーが逸速く廊下に出た。同時に「テディ! どうしたのその顔……!」と声が聞こえ。ルカは弾かれるように立ちあがった。ユーリも杖を手にするのももどかしい様子で、脚を引き摺りながらルカと先を争うようにして廊下に飛びだす。

 そこに立っていたのは、あおぐろく腫らした左目を髪で隠し、口許に絆創膏を貼ったテディだった。

 途惑った様子で、テディは自分たちを見ていたが――包帯だらけのユーリに目を見開き、駆け寄ってきた。

「ユーリ……! どうしたんだその怪我……、事故ったのか――」

「テディ――」

 今度こそ本物のテディだということを確かめるように、ユーリは髪を指で流し痛々しい左目の痣にそっと触れ、頬を撫でおろした。頸の後ろに手をまわすともう堪えきれず、杖が派手な音を立てて倒れたことなど気にも留めずに抱きしめる。部屋からドリューも出てきて、困惑顔のテディを見ると、はぁ……と声にならない声を溢して、膝に手をつき安堵した。

 ルカは床に転がった杖を取ってユーリに持たせ、テディを見つめた――泣き笑いの表情で。

「なんだ、どうしたんだおまえ、その顔……」

「あ……うん、ちょっと。そんなことより病院にいるってあのメール……怪我なら怪我って教えてくれよ。はっきり伝えてくれないから、なにがあったんだろうって不安でたまらなかったじゃないか」

 どうやらこの病院は、皆にとってトラウマの温床であったらしい。ルカはユーリの腕の中から奪うようにしてテディを引き寄せ、思いきり抱きしめながら云った。

「ああ……そういえばメンバー全員にメールを送ったんだっけか……。それを見てここに来たのか? もうなにがなんだか――」

「あの……」

 看護師もわけがわからないという様子で、声をかけてきた。

「じゃあ、あのご遺体はいったいどなたなんです? さっきお伺いしたときは、肉親はいらっしゃらないって……」

「遺体?」

 ルカの腕の中から離れ、テディが訝しげに訊いた。

「遺体って……、なにがあったんだ?」

「あなたに瓜二つな顔をした、たった今あなたが現れるまであなただと思われていたご遺体があるんです。お心当たりは?」

 看護師がそう云うと、テディは開きづらそうな左目までかっと見開いて、さっきまで皆がいた部屋に駆けこんだ。もうひとりの看護師がきちんと整え直した遺体の、顔の布を恐る恐る捲り、ああ、と小さく声をあげる。

「そんな……。ルディ、どうして……」

「ルディだって?」

「知ってるの? いったい誰なの、その人は……、なぜテディにそっくりなの……?」

 テディは布をそっとかけ直しながら、こちらを向き答えた。

「ルディ……ルドルフ・ミハエル・ローゼンベルクって云ってた……。俺もさっき初めて会って存在を知ったんだ。俺の双子の弟……らしい」

「双子――」

 聞く前からその可能性しかないだろうとは薄々思っていたが、はっきりと知らされるとやはり驚く。

「でもいったい、なんでこんなことに……。まさか俺が殺してしまったんじゃないよな……、それとも自殺……?」

「それはどういうことですか」

 その声にテディが振り向くと、ドアのところに制服姿の警官が立っていた。

 警官はテディの顔とクリップボードの書類を見比べると眉根を寄せ、狐につままれたような顔をした。

「亡くなったのはセオドア・ルシアン・レオン・ヴァレンタインさんとあるんですが……これはあなたの名前ですよね? それに、殺したとか自殺とか……ちょっと事情をお訊きする必要があるみたいですね。すみませんがご同行願えますか」

 なんとなく、遅かれ早かれこうなる気がしていた。テディとユーリとルカの三人は、まるでリムジンに乗せるように慇懃にパトカーのドアを開かれ、警察署でじっくり話を聞かれることになった。

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