第六十八髪 高らかな 勝利の凱歌 咲く笑顔
天馬は
荷台に乗るサイズまで小さくなったルピカは、クリームと共に丸くなって眠りに就いている。
クオーレはそんな二頭の豊かな毛に埋まるようにして、軽くいびきをかいて眠っている。
どれだけ感謝してもし切れない。
エルはというと、
時折急に、ゲーッハッハッハ、と笑い出す。
最後の仕事を終えた慎太郎はというと、横になり
頭部への
大巫女も力をほとんど使い果たしてはいたが、少し回復すると、慎太郎に手をかざし、少しでも回復を早めてくれている。
慎太郎を見下ろす大巫女の表情はとても温かい。
「……」
「……」
視線を合わせ続けるのが段々と
起き上がると、もうすでに都にほど近い、防衛線が
戦いの後は、大地に深い
もしかすると、慎太郎の頭のように、もう二度と豊かな地へと戻れない可能性すらある。
「大丈夫ですよ、慎太郎様」
まるで気持ちを
「
「そうか。……ああ、そうだな」
再び地上を見ると、そこでは
無事な人間はおそらく一人もいないだろう、
だが、慎太郎達の姿を見つけると、元気な者は大きく手を振り、周りに伝えていく。
空を見上げる彼らの表情は、一様に晴れ晴れとしていた。
「……慎太郎様、どうぞ」
大巫女がおしぼりのような白い布を渡してくる。
慎太郎はそれで顔を
老若男女問わず
進行方向は開けてくれてはいるものの、皆、
そして、周りを取り囲むのは笑顔、もしくは
間違いなく言えることは、そこに溢れていたのは感謝、であった。
そんな多くの人と一つの想いを感じながら、慎太郎はふと空を見上げる。
モノクロの世界は終わりを告げ、とても鮮やかな青がどこまでも広がっている。
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