第27話
あー、疲れてきたなぁ。…さくら真面目にやってる。集中力あるよなー、俺も頑張ってる方だと思うけどさくらには勝てないもんなー。あ、悩んでるっぽいな。どこだろ、頭の上に“?”が浮かんでるって感じだな。かわいい。
「ふーくん」
お、きたきた。
「ん?」
「あれ?」
お、なんだ?
「どうした?」
「ふーくんこっち見てた?」
え、バレた。ってか、ガン見してたしそりゃそうか。
「あー…、うん。見てたわ」
「びっくりしたー、顔上げた瞬間目があったから!」
なるほどな。
「頭に?のせてそうでかわいかったから見てた」
彼女なんだし、かわいい…とか言ってもいいっすよね?
「か…かわいくないよ! でも、ありがとう…。あ、でも勉強わかんないのかわいいは良くないー!」
照れたり怒ったり忙しいな。
「はいはい、ごめんな」
「んー、わかってないな!」
かわいいもんは仕方ない。
「で、どこわかんないの?」
「ここ…ってふーくん進むの早くない!?」
「え?」
おぉ、さくらまだその問題か! って失礼だな。
「あー、俺は得意教科だし…早いのかもな」
「悔しい…けど、史人先生よろしくお願いします」
「はーい、どこですかー」
「ここです」
「ここはねー…」
勉強でも高め合えるカップルとか成長凄まじくない? 恋にうつつをぬかして〜みたいなことはなく、むしろ恋が成長させる…! 先生、恋も成績上げてくれますよ!
「あー! ここが違ったのか〜」
「そうだな、ここ直してこっちで進めばいける」
「ありがと〜」
「さくら、そこ問いたら休憩しようぜ」
「あ、そうだね! そうしよ〜」
よかった、彼女が家に来て勉強だけして帰るってのも寂しいよな…。
\コンコン ガチャ/
「お茶をお持ちしました〜。遅くなってごめんね〜」
ナイスタイミング、母! 聞いていたかのようなタイミング!! え、聞いてないよね?
「あ、ありがとうございます!」
「さくらいいよ、それ問いちゃって。母さん、ありがと」
「これ、お菓子もね。飲み物足りなくなったら教えてね」
「おぅ」
「じゃあ、ごゆっくり〜」
「ありがとうございます!」
相変わらずニヤニヤが続いてるな…。休憩って言っても別にイチャイチャ…するわけじゃねぇよ! ほら、何気ない会話を楽しむんですー!!
「…くん、ふーくん? 終わったよ?」
「あ…ごめん! ぼーっとしてた。お疲れ、休憩しよーな」
「うふふ、ふーくんもお疲れ。よーし、一旦休憩だー! お菓子美味しそ〜」
お菓子を輝いた瞳で見つめるさくらは子供みたいでかわいらしいです。
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