第26話

\ピンポーン/


お、さくらかな。


「はーい。あら、さくらちゃん! 今開けるわねぇ〜」

母さんが先に出ちゃったか…。


「史人ー、さくらちゃん来たわよー!」


「はーい、今行くー」

暑い外に立たせてるんだから早く開けないとな!



\ガチャ/


「あ、ふーくん!」


「おぅ、暑いだろ。入って入って」


「うん、お邪魔しまーす」

帽子被ってる、かわいいな。


「いらっしゃい、ゆっくりしてってね」


「あ、お母さん! お邪魔します!」

これを言うのは2度目かと思いますが、さくらは俺の母親をお母さんと呼びます。そういう癖みたいなもんです、お気になさらず!!


「うふふ、後でお菓子と飲み物持っていくわね〜」


「ありがとうございます」


「ありがと。さくら行こ」

相変わらずニヤニヤしている母さんは置いておいて、俺の部屋に行きます。


「うん! 失礼します」



「夏休みに勉強会は初かな〜?」


「あー。…そうかもな」

そういえばテスト前とかはあったけど、夏休みに勉強会してないかもな。


「ごめんね、ふーくんも課題あるのにー」


「いや、同じのやるんだし。一緒にやった方がはかどるだろ。あと、教えた方が俺も頭に入るから」


「優しいな〜、ありがとう!」


「で、何持って来た?」


「えっと〜、数学と化学…」

よし、ビンゴー!


「おぅ、じゃあ始めるか」


「うん!」

…来てすぐ勉強始めるさくら偉い! いやいや勉強しに来たんだから当たり前なんだ。でも、もうちょっとこう彼氏の家ですし? 雑談みたいな、ね? 俺が始めるかって言ったから仕方ないけど。…うん。そんなこと言ってないで俺もやるかー。


「ふーくん」

お、なんだ。やっぱちょっとゆっくりしてから始めるか?


「ん?」


「早速なんだけど、ここわかんなくて…」

あ、うん。問題ね。さくら、偉い。俺、ちゃんとしろ!


「どれどれ」


「ここー」


「あー、これは…」

そんな上目遣いしないで! 説明してるのに気がさくらに行っちゃうから!


「あー! なるほど! ここで公式を使うんだ!」


「おぅ、そうそう。理解すんの早いな〜」


「えへへ〜、ふーくんの教え方がうまいからだよ」


「そ、そうか? よかった。わかんないとこはいつでも何個でも聞いていいぞ」


「ありがとー!」

俺調子に乗ってますが、割と頭はいいです☆


…さくらも一生懸命頑張ってることですし、俺も課題やっつけますかー!!

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