第28話
「疲れたね〜」
「お、さくらも疲れたか〜。一生懸命やってて偉いなーって思ってたわ」
「うん、私も疲れたよ〜。ふーくんはたまにサボってたー」
…バレてたか。
「俺そんな集中力ないもん」
「うわー、サボってたのに私より進んでるとか…。うざい」
「ひっでぇ」
「だって〜、羨ましいなーって思ったんだもん!」
羨ましいねぇ、まぁそれなりに勉強ができるってのは自慢になるしなぁ。
「まぁまぁ、まだ夏休み始まったばっかだから」
「そうだけど〜…。早く終わらせて遊びたい!」
夏休みの宿題って最終日にやるのが醍醐味じゃないって考えは俺とさくらにはなくて、小さい頃から早く終わらせて遊ぶっていうなんかできるやつ風な夏を過ごしてきた。俺はこれが2人の約束みたいで大好きで、いつも宿題を早く終わらせようとしていた。
「俺も早く終わらせるつもりだ」
「だよね、ふーくん毎年早くてずるい! 私頑張って終わらせてたんだよ!」
「え、さくら俺に合わせてたの?」
「…」
「俺と遊びたくて?」
「…」
かっわいいー! 抱きしめたい、今すぐに!! …実行する勇気はありませんけどね!
「俺もさくらと遊びたくて早く終わらせてたよ」
「…ほんと?」
「おぅ、ほんと。さくらは?」
「私もそう。夏休みはあんまり会えないから」
…あれ、そういえばさくらって俺のこといつから好きなんだろう。
「それって前から俺のこと好きだったってこと」
「…」
あ、うなずいてる。
「あの…さ。さくらっていつから俺のこと好きだった?」
「え〜、恥ずかしい!」
「俺も教えるから、教えてよ。ね?」
「…わかったぁ」
さくらが俺を好きになったきっかけとか知れたら楽しいだろうな。照れる姿も拝めるしな、楽しみだ〜!
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