第23話

「おっはよー、史人ー!」


「おぅ、おはよ」

朝から楽しそうな智に捕まりました。


「おはよう」


「あ、おはよー」

たくも一緒でした。


「美咲さんにトリプルデートの話したら行きたいってさ!」


「あ」

さくらに話すの忘れてた…。


「もしかして史人忘れてたのか? まぁ、ゆみからさくらさんには伝わると思うぞ」


「だよな。忘れて悪い…」


「別に俺らはいいけどさ、彼氏さんから誘わなくていいのかね〜!」

うぅ…。さくらをトリプルデートに誘って、喜ぶ姿…。絶対にかわいい!!


「そ、そうかもな」

よし、誘いに行くか…


「ふーくん、私も参加したい!」

あ、さくら。


「ん?」


「皆で遊びに行くんだよね? 私も参加で!」

あ…。うん、そりゃ2人仲良いもん伝わるよな。


「おー、さくらちゃんもゆみちゃんも行けるのかー! じゃあ、皆で楽しみますかー!」


\おー!/


いつもより楽しい夏になりそうです。




「ふーくん、トリプルデート嫌だった?」

帰り道、さくらが突然心配そうに俺を見つめています…。


「え、なんで? めっちゃ嬉しいよ」


「そっか〜、よかった。私が話しかけに行ったらちょっと悲しそうな顔(?)したように見えて」

あー、それは…


「トリプルデートの話、男子で話してたのに俺ちょっと忘れちゃってたんだ。それで、さくらに俺から誘いたかったな〜って思っちゃっただけ。心配させてごめんな?」


「なーんだー! そっか、そっか。うふふ」


「…なんだよ」


「かわいいとこあるな〜と思って!」


「か、かわいい!? いやいや、男がかわいいって嬉しくないわ」


「えー、褒めたのにー!」


「…褒めたの?」


「うん! 私が嬉しかったってことだよ」

そっか。


「じゃあ、俺も嬉しい」


「えへへ、私が嬉しいとふーくんも嬉しいの?」

…なんか、俺。恥ずかしいこと言ったんじゃないか? でも。


「…当たり前だろ」


「うふふ、ありがとう! 私も同じだよ〜!」

めっちゃ嬉しそうだな。誘えなくて残念だけど、このさくらが見れたからいいか。


「夏休み、楽しみだね!」


「おぅ、そうだな」


さくらとの付き合って初めての夏も楽しみだ。

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