第22話
「美味しかったね〜」
「おぅ、だな」
さくらと放課後デートでカフェを満喫してきました。ここは彼氏らしくと奢ろうとしたら“何か…申し訳なくなるし、割り勘の方がいいな”と断られました…。
「素敵なカフェだったし、また来ようね!」
「おぅ! 俺も思ってた」
「わーい!」
カフェが嬉しいのか、俺とのデートが嬉しいのか…。前者だろうな。…どっちもだったらいいな。
「ふーくん」
「ん?」
お、なんだ。立ち止まって。
「…」
お、黙って…。あ、手を出してる。そうだった、手を繋ぐって…顔赤くしてこっちに手を出すさくらかわいい…。
「ごめん、繋ぐの遅かったな」
おぉぉ! 俺今彼女と手繋いでます!!
「えへへ」
かわいいー! 夏は暑いからとか逃げてたけど、こんな嬉しそうなかわいいさくらが見れるならもっと早く繋ぐべきだった!!!
「さくら」
「んー?」
「手、繋ぐの嬉しい?」
ちょっといじわるしたくなっちゃうお年頃です。
「…うん」
かっわいいなー、もう。
「そっか、俺も」
「えへへ、よかった〜。私嬉しそうなの顔に出てた?」
「おぅ、幸せオーラ全開」
もっと照れてくれますかね〜。
「そっか〜、でも当たり前だよね」
お?
「だって、すごく幸せだもん!」
…!!!
「えへへ〜、恥ずかしいなー」
俺の隣でずっと大好きだった人が笑ってくれるだけでも嬉しいけど、幸せなんて言われたら…なんか、なんて言えばいいんだ…。あ。
「俺も、幸せ」
幸せってことか。
「うふふ、やった〜。一緒だねー!」
「そうだな」
あー、ほんとさくらのこと好きだわ。
「ふーくん」
「ん?」
「大好きだよ」
…!!!
「…俺も」
「ありがとう!」
素直に気持ちが言えるさくらが大好きで、俺も素直に伝えたいけどやっぱ照れくさいな…。いつか、この好きをもっと伝えられる日が来るんだろうか。それまで、頑張って伝えていかないとな。
いつもの帰り道がいつも以上に素敵に見えて。放課後デートでも幸せだったのにさくらにもっと幸せをもらってしまった。俺ももっとさくらを幸せにしたいな。
でも、今日は初めて手を繋いだ思い出に浸りたい気分です。
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