第10話

そろそろもふに洋服着せてあげんのかな〜、と考えております。史人です。


「ふーくん、カップルって何するんだと思う?」


「急だな」

付き合うってよくわかんないよねって話したのに、どうした。


「いや〜、付き合うってなったから…。カップルっぽい…こと? も何かしてみたいじゃん!」

なんだよ、かわいいな。


「カップルっぽいことねぇ…」

手を繋ぐ…とか? あー、でもそれは外か。うーん、キ…キスとかはまだ早いな。うん、早い。えーっと、ハグ? ハグってどういう場面ですんだ?


「映画見るとかかな〜、2人で!」

あ、そういう? 行動的なことじゃなくて? あ、でも映画見るも行動か。俺の頭お花畑だったな…。


「映画ね、今度行くか」


「お家デートだからDVDとか借りればよかったね〜」


「あー、それも楽しそう」

お家デートで、隣でDVD見て…手を繋ぐ…。的な? そういう展開が待ってたのか??


「ふーくんは?」


「ん、何が?」


「カップルっぽいこと、なんだと思う?」

おぉ…。えー、これはあれだよな。さっきの手繋ぐーとか、ハグするーとかじゃ…ないよな。うん、そういうことをしたいみたいになるもんな。2人のペースでとか思ってたくせに何を考えてんだ、俺は。んー、出かける場所とかだよな。


「うふふ、そんな悩まなくても〜」

悩みすぎてたか…。


「あははははー、ちょっと思いつかなくてなぁ」


\ガチャ/


「あれ? 誰か帰ってきたのかな?」

良いのか、悪いのかわからないタイミングだな。


「あー、もう結構時間経ってるもんな」


「わぁ、ほんとだ〜!」

ってか、カップルっぽいことでハグとかしてて、お母様に見られる…みたいな展開にならなくてよかった…。


「もう17時になってたんだ〜。ってことはパパかな?」

お…お父様の方ですか。って、まぁ仲良いんだが。付き合ってから初対面は緊張が…。


\カチャ/


「ただいま〜。お、こんちはー」


「あ、お久しぶりです。史人です」


「おかえり〜、ふーくんだよー!」


「おぉー、久しぶりだね。ゆっくりしてってよー、ご飯も食べてく? あはは、まだ時間早いかー!」

ちょっと陽気なお父さんです。


「いやいや、大丈夫です!」


「食べてったら〜?」


「いや、申し訳ないし…」


「ハハハ! 史人くん、大人っぽくなったねー。というか、そんな気を使わないで! 一緒に泳いだ仲じゃないかー!」

おそらくさくらや友達と一緒に家族でプールに行った時のことを言ってます。


「なんか…久しぶりすぎて」


「気は使わない! 史人くんパパに連絡入れとくから、ご飯食べてきなー」

史人くん…パパ。


「え…」


「ふーくん、食べていきなよ〜」


「えっと、じゃあお言葉に甘えて…」


「よーし、連絡しとくなー。着替えたりしてるからゆっくりしてってなー」


「ありがとうございます」

さくらのお父さん…。元気だなー。


「えへへ」


「お、どうした?」


「今日はいっぱいふーくんと一緒にいられるね」

な…なんてこと。かわいい、かわいすぎる!!


「小さい時みたい!」

あ…。もしかして、懐かしいってことですか…?


「あはは、そうだな」


まぁ、さくら嬉しそうだし。俺も長く一緒にいられたら嬉しいからいいか!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る