恋をした君と振り回される僕

第3話

「おはよ、史人！」

「おぅ、おはよ」

こいつは智。割と仲の良いやつです。（＝めっちゃ仲良いです）

「今日も仲良く登校ですかー」

さくらと付き合ってから、前はたまにしてきていたいじりの頻度が多くなった気がします。まぁ、別に気にしてないんですけど。

「おー、まぁ日課だな」

「いや〜、年季が違うな！ 年季が！」

「なんか、俺がおじさんみたいだからやめろよ」

「何だと！ おじさんだって魅力的だろ！」

…キレるとこ間違っているような…。

「いや、まぁ。うん、そうだな」

「ほら、あの草刈りをしてくれてるのだっておじさんだ。世のおじさんありがとう！！」

おじさん以外もするだろ…。まぁ、間違ったこと言ってるわけではないけど…。こいつは変なやつだろうな。

「ってか、史人いいなー」

「ん？ 何が」

「彼女と登校とか…俺もしてみてぇ」

「…お前、それ河合さんに言ったら悲しむぞ」

河合さん、河合美咲さんは智の年上彼女で大学生さんです！

「言わねーよ、俺だってそんな無神経じゃありませんー！」

「智なら言いかねないと思ってな」

「おい！ 別に高校に彼女が欲しいって意味じゃなくて、美咲さんと同級生だったらなぁ…ってことよ」

「同級生だったらそもそも相手にされなかったかもな」

「…おぉぉ。うん、今が1番幸せってことだな！！」

「智くん、どうしたの？」

お、さくらだ。

「おじさん最高ー！ みたいに叫んでなかった？ どうした、おじさんに命救われた？」

あ、こちらのさくらと共に来てくれたのは佐藤ゆみさん、通称ゆみりんです。あ、俺は呼んでないっすよ。ゆみさんとお呼びしております。

「あー、おじさん最高じゃなくておじさんありがとうな！」

「急にどうしたの〜？」

さくら、その疑問は皆もったと思う。

「おじさんの素晴らしさを史人に語ってた！」

「…それでも意味わかんないけど」

ゆみさん、俺も同感です。

「えー、おじさんいいだろ」

「ちょっとわかるかなー。おじさん…かわいいよね！」

さ…さくら！？

「んー、さくらちゃんのとは違うかもだけど。まぁ、おじさんにはおじさんの魅力があるってことで一緒かもな！」

「ふーくんも、おじさんの魅力知っていかないと！」

「え…。おじさんの魅力ねぇ」

俺がおじさんになった時に分かればいいかな。

「智くんとさくらって…何か変な共通点あるよね」

俺も思ってました、ゆみさん。

「えー！ やめてやめて、さくらちゃんと似てるとかなったら史人に消される！！」

「いや、消すってなんだよ。ってか、共通点あるって言ったんであって似てはねぇよ」

「えー、史人くん。あ、ふーくん。俺…私もかわいいでしょ〜？」

智…。今日どうしたよ。

「智…、かわいくはないぞ」

「うん、俺も思ってた！ お、そろそろ席戻るわー！」

「ほんとだ、私達も〜」

「おぅ、また後でな」

…智は面白いやつですよ。