川原の石ころと交通事故 2


さて!今日もいっちょ石ころ集め頑張るぞーーー!!







良太

「う~ん……ん?いや……うん?……ん?あっ!あれだ!見つけた!」


─スタッ、カッ、スタッカッ

カッ は石同士がぶつかる音



良太

「………おぉー、可愛らしい石だね。」



そこには、綺麗な薄いピンク色の長方形の小さな石があった。


しかも、色が濃いけどちょっとだけ向こうが透けてる。


何だか鉱物図鑑にあった”ローズクォーツ”って言う宝石とおんなじくらい似てる。


でも、原石が近くにあるわけないし、こんな場所にはないよね。


たまにピンクの石って見かけるもんね。(山奥だと特に。)



良太

「今日の石はこれがダントツ………ん?」



近くに、真っ黒だけど金色のキラキラ凸凹があって、黒い所はザラザラしてる


気品?って言うような雰囲気の石があった。


何だか綺麗で良い感じがする……


そんな感じのオーラ?を感じる気がする………


形がまるで蛇みたいだけど逆にそれが綺麗な感じを増させてるような……


何だろう?



良太

「でも綺麗だからいいよね!─名前はぁっと………よし、ピンクが”ローズ”で、金色が”金次きんじ”かな。」















─ガチャ


良太

「お母さんただいま~~!!」


「おかえり良太。あのね、良太が石を拭いてからでいいんだけど……」


良太

「なあに?」


「…!!あ、良太の今日拾って来た石と、葵と豪炎と琥珀と翡翠、ちょっとお母さんに貸してくれる?ちゃんと後で返すから。」


良太

「うん。いいよ。割らないでね?」


「ええ。解ってるわよ。」


良太

「ああ、後、こっちのピンクがローズで、こっちの金色が金次だよ。」


「そう……よろしくね。」



─トンットンットンットンッ

木製の階段を上がる音


















良太

「ただいま皆~~』!!」


石達

『『『『『『おかえり』』』』』』


良太

「皆、今日の新入りを紹介するね!」


─ごそごそ


良太

「じゃん!ピンクが”ローズ”で金色ザラザラは”金次”だよ!皆さん歓迎の拍手をー!」


石達

『『『『『『パチパチパチパチパチ~!!』』』』』』


良太

「じゃあ、毎度のこうれい行事、ふきふきをしまーす!」


石達

『『『『『『わ~~!』』』』』』


『次どんな子かしら!あのピンクちゃんは絶対女の子ね!』


翡翠

『それより皆さん、あの金次と言う石……何か感じませんか?』


亀次郎

『あ~、確かにら~。』


琥珀

『おう!俺も幸運オーラ見たいなのを感じるなあ。ガッハッハ!』


コロ助

『多分あの石、何か宿ってます。間違いなく縁起の良い者が………』


豪炎

『良太は幸運で強運の持ち主だな~!あはは。』


良太

「じゃあ拭くね!─ふきふきふきふき石ころさん♪綺麗になあれ石ころさん♪ピカピカキラキラ綺麗になってお家の家族に仲間入りっ♪─っと、ハイ!、ローズいっちょ上がり!」


ローズ

『…?あら、ここは』


『初めまして新石さん。私は葵。』


亀次郎

『亀次郎ら~。』


豪炎

『俺豪炎!よろしくな!』


翡翠

『私は翡翠です。仲良くしましょうね。』


琥珀

『俺ぁ琥珀!よろしくな、ローズ嬢!ガッハッハッハッハ!!』


コロ助

『ぼ、僕はコロ助。昨日入ったばかりの嬢だけど、これかれお互いよろしくね!』


ローズ

『は、初めまして、ローズですわ。以後お見知りおき下さいな。』


琥珀

『さ、次はあの運気UP石だな。』



良太

「さあ、次は金次!─ふきふきふきふき石ころさん♪綺麗になあれ石ころさん♪ピカピカキラキラ綺麗になってお家の家族に仲間入りっ♪─っと、ハイ!金次もいっちょ出来上がりッ!!」


金次

『ふぉっふぉっふぉ。これは愉快じゃのう。石のわしが意思を餅おったわい。不思議な力じゃのう。石に宿って驚きじゃわい!ふぉっふぉっ』


豪炎

『じいちゃん何モンだ?』


金次

『儂には金運を上げる力が宿っておる……いや、正確には、儂の正体は金運上昇の”精霊”じゃ。この石の体が気に入って宿ったのじゃ。意思が飛んだがの。』


コロ助

『じゃあ、お爺さんはただの意思じゃなくて、宿った精霊さんの意思なんですね。』


金次

『そうじゃ。良太坊と言う名前らしいのう。数日前に力が開花したんじゃな。』


翡翠

『完全開花すれば、私達とも意志疎通が可能になるんです。』


金次

『珍しい能力じゃ、そう完全開花はせんぞ。な。じゃが、良太坊くらいの運気の持ち主ならば、すぐ開花すると思うのう。』


コロ助

『本当ですか!』


金次

『本当じゃのう。………んむ?お主……』


コロ助

『な、何でしょうか……』


金次

『お主の生命運勢に何かかげりが出ておる。』


コロ助

『えっ、石なのに?と言うか、他人?の運勢が解るんですか?』


金次

『ああ。とある一時、危険が迫るとあるな。』


コロ助

『………まさか、何かしらの事が起こって、壊れる…?』


金次

『恐らくの。陰り度は…何と、96%じゃと……』


コロ助

『そんなにも僕の生命運に陰りが……』


金次

『陰り度は高ければ高い程周りを巻き込む可能性がある。あまり外に行かん方がええぞ?』


コロ助 

『でも、石にも生命運なんてあるんですね……』


金次

『当たり前じゃ。例え石だろうが草花でも必ず魂がある。壊れれば何も宿れなくなり、意思があったならばそれは消える。意思こそ魂じじゃ。』


亀次郎 

『深いら~……でも、コロ助が心配ら。』


金次

『そうさのう……まあ、外に出るような出来事さえなければ、お主の命は大丈夫じゃろう。』


コロ助

『そうですか………』


良太 

「よし、今度は皆の番だよ。今日は特にピッカピカのキラッキラにしてあげるからね!」


『おおっ!今日はやけに気合いが入ってるわね!』


良太

「今日は、葵、豪炎、琥珀、翡翠、ローズ、金次はお母さんに少し貸すんだ~!ピッカピカにして宝石みたいにしてあげるね!皆磨けば光る玉だよ!」


琥珀

『おう!嬉しい事言ってくれるねえ!』


翡翠

『にしても、何故急に?亀次郎君とコロ助君は違うのですか?』


豪炎

『もしかして、俺らがあんまりにも綺麗だから、宝石と勘違いして俺らを売り飛ばそうなんて事だったりしてな!』


『あははは、まさか。そんな訳ないわよ。私達宝石や航跡じゃないんだから。鑑定してもらってもきっとただのその辺の石っころと変わらないわよ。ねえ?』


ローズ

『そうですわ。所詮私達はただの石ころ。ちょっとミタメが綺麗だから良太さんに気に入ってもらえただけで、私達本体には価値はありませんことよ。…多分』


翡翠

『意外と、貸し出される仲間達の中に、本物の宝石が混じっていたりしてね。ははは。』


琥珀

『ガッハッハ!おい翡翠、そう言う言い方はなあ、世の中じゃあフラグっつって、言った事が本当になっちまうぜ?』


金次

『うむ。意外とアリな話じゃな。』


亀次郎

『宝石だったら、良太って凄~~くとっても運がいいら~。』


金次

『実質良太坊の運気は高い。悪運はめったにひきよせんよ。』


コロ助

『良太さん凄いです!』


『うふふ、良太の中じゃきっと私達は宝石よ。』


翡翠

『そうですね。』
















良太

「はい、お母さんに言われた通り持って来たよ。」


「ありがとう良太。この石達を、今からのお出かけに連れてってもいい?」


良太

「うん。いいよ~。」










































「ふう。着いたわね。鉱石の鑑定店。」


石達

『『『『『『!』』』』』』



─カランコロン♪

ドア鈴


店員

「ああ。いらっしゃいませ。今日はどんな物を鑑定に?」


「ここに入ってる石達の鑑定をお願いします。」


店員

「解りました。小石が6個で1100円です。」


「はい。どうぞ。」


店員

「ありがとうございます。」








─コトッ


「じゃあ最初にこの石を。(葵の事)」


店員

「ほう。これはまた綺麗な群青色ですね。………ふむ。やはり。」


「分かりましたか?」


店員

「はい。これはラピスラズリと言う宝石ですね。色からして間違いなく。しかも純度がとてもいい。いい値で売れますよ。」


『嘘でしょ!?翡翠、あなたがプラス立てたから回収されたじゃない!』


翡翠

『いえ、まさか本当にこんな事があるとは思いもしませんでしたね。』


『て言うか私達の事売らないわよね!?』


琥珀

『葵嬢、今度はお前がフラグ立ててどうすんだよ。』


『ハッ!撤回撤回!前言撤回よ!』


翡翠

『もう立ててしまったので、取り消し不可能だと思います………』



─コトッ


「これはどうですか…?(琥珀の事)」 


店員

「おや!……ふむ。奥さんとても運がよろしいですね。これは本物の琥珀です。しかも、中に蟻が閉じ込められているので、普通よりも高値でしょう。」


琥珀

『スゲェな!ガッハッハッハッハ!!』



─コトッ


「これは?(豪炎の事)」


店員

「………ふむ。これはとても珍しい鉱石ですね。見た目も綺麗な鉱石ですから、高値で売れますよ。赤い水晶部分も純度がいいので、マニアの方なら特に売れます。」


豪炎

『……いや、俺がどんな鉱石なのか知らないの?』


『鑑定士なんて、貴重かそうでないかを調べるんだから、そんな詳しくないわよ。』


豪炎

『ふ~ん』



─コトッ


「じゃあこれはどうですか?(翡翠の事)」


店員

「……成る程。色が塗られたような意思ですが、この色は間違いなく自然の色ですね。キラキラとひかる当たり、これはマニアの方にお売りした方がよろしいかと。」


翡翠

『マニア………ですか。やはり嫌な予感がしますね。』



─コトッ


「これはいかがですか?(ローズの事)」



店員

「…………はい。これは紛れもないローズクォーツと言う宝石ですね。加工してもらえばもっと価値が上がるでしょう。」


ローズ

『えっ!?そうなんですの!?』



─ゴト


「ではこれは?(金次の事)」


店員

「ふむ……この重たさ、この金色……間違いなくこの金色の部分は純金でしょう。混じり物が少ないですね。金だけを取り除き加工してもらうといいかもですが、


あえてこのままなら、これまたマニア等の人に高値で売れるでしょう。」


金次

『やはりか。まあ、儂も予感はしておったわい。』


「ありがとうございます!」
















「ふふふっ♪後は、この石達を良太に許可をもらって売るだけね♪」


石達

『『『『『『……』』』』』』


翡翠・ローズ

『葵さん…』


琥珀

『葵嬢…』


豪炎

『葵…』


金次

『ふむ。』


『ううっ………』



翡翠・ローズ・琥珀・豪炎

『フラグが回収された(じゃないですか!)(じゃねぇか!)』



『ごめんなさ~い!』






by作者


おはこんにちばんは。


ハローハロー作者の 館川 ハナミ です☆


今回、新たな仲間、金次おじいちゃんとローズちゃんが登場しました!


さてさて……


回収されてしまったフラグ……


石達の運命やいかに!?





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