川原の石ころと交通事故 3

「ふふふっ♪やっぱり私の思った通りだわ♪早速、明明後日ぐらいには良太に言わなくちゃねっ♪」




豪炎

『どどど、どうすんだよ!!俺たちこのままじゃこのババアに売り飛ばされちまうぞ!』


金次

『困ったものじゃのう………』


翡翠

『しかし、石ころである私達ではどうにもできませんよ……』


ローズ

『困りましたわね…』


『うぅ………』


琥珀

『くよくよしてても仕方ねぇ。良太に任せるっきゃねぇだろ。』


翡翠

『そうですね……せめて、早く良太君の力が完全に開花するのを祈りましょう。』
















コロ助

『あっ、皆さんお帰りなさい。』


亀太郎

『お出かけはどうだったのら~?』


翡翠

『それが………』


豪炎

『実は、あのババアに連れて行かれた場所が鉱石とかの石を鑑定する場所でさぁ……』


コロ助

『えっ!?それって……』


翡翠

『はい。鑑定にかけられた所、私達はやはり価値ある石だったようで……』


ローズ

『このままでは私達、売られてしまうんですの…』


『う”ぅ~……良太と離れたくない”~!!』


琥珀

『ったく、傍迷惑なもんだぜ。』


金次

『と言うても、儂らは所詮ただの石じゃ。どうすることもできん。全て天に任せるしかないじゃろうな。』


コロ助

『そ、そんな…!』


亀太郎

『た、大変だったのら~……』


『だから、良太に任せるしかないわね……私達が良太と喋れたなら…』


亀太郎

『良太の開花を待つしかないのら……?』


豪炎

『…ああ。』


ローズ

『明明後日には良太さんにお母上が私達を売る打診をするつもりですわ……』


翡翠

『状況はかなり悪い方ですね……』


石達

『……………………』










─翌日







─カパッ (葢を開けた)



良太

「みんな~……おはよう……」


石達

『おはよう』



『あら?良太って今日学校じゃなかったかしら?』


翡翠

『ええ。確か。』


亀太郎

『う~ん?なんだか良太、顔色が悪いのら~…』


良太

「今日ね……僕学校なんだけど……ちょっと体調が悪くって……お休みしたんだ…」


ローズ

『あら………大丈夫ですの?良太さん……』


良太

「あんせいにしてないといけないから、今日はずっとベッドの中だよ………うぅん……」


翡翠

『心配ですね……』


良太

「じゃあ、僕ちょっと寝てるね……おやすみ………」




今日は石拾い、できそうにないなぁ……





















良太

「う~ん……ここは…?」




僕の目の前には何故かいつもの石ころ集めをしている川原があった。


なんでここに…?



僕がキョロキョロしていると、後ろから突然話かけられた。




???

「………良太くん?」


良太

「ひわっ!?……だ、誰?」




後ろに振りかえってみると、そこには緑の長い髪をした、笠を被った緑の服の僧侶さんがいた。


右手にはあの変な杖をもってる。



なんだろう………


僕、この人を知ってる気がする………




???

「まさかここで良太君に会うとは思ってもみませんでした。皆さん、心配してましたよ。」


良太

「みな…さん…?」




皆さんって…誰だろ…




???

「ふむ……もしかしたらこれは完全開花への予兆ですかね?」


良太

「完全開花…?予兆…?どうゆう事?」


???

「ふふっ。もうじき解ると思いますよ。楽しみにしていますね。……ああ!そうそう、これ、せっかく出会えた記念にお札です。」


良太

「お札?これって何のお札なの?」


???

「健康を促すお札ですよ。現実では見えませんが、しっかりと良太くんの魂が持っていてくれますからね。では。」


良太

「あっ!待って僧侶さん!」




行っちゃった…………


それにしても、何で僕の名前…知ってたんだろう?


あの僧侶さんは結局何者だったのかな?










良太

「ふぁっ!」



─バサッ! (勢いよく起きる)



良太

「今のって…夢?」




それにしてはやけにリアルだったような…


まあ、いっか。




良太

「あれ?」



ちょっと体が良くなってる…!


あの僧侶さんに貰ったお札のおかげかな…?




良太

「ありがとう、僧侶さん。」










翡翠

『ふぅ……よかった。これで良太くんの体はじきに良くなるでしょう。』


金次

『ふぉっふぉっ。そうじゃの。』


亀太郎

『だんだん良太の力が強くなってるのが解るのら~…!』


『良太と話すのが楽しみね!』


豪炎

『それまであのババアに売られなきゃいいんだがな………』




良太の力は、着々と開花していっていた。


石達は、次に誰が良太の夢に出れるだろうかと、良太の母親に売られそうになっている事を懸念しながら、


ワイワイと雑談していた。










─ 一方、良太の両親










「~♪~~♪」


「………本当に売る気か?」


「えぇ。そうよ?」


「良太にとって、あの石達はとても大事な物なんだぞ?あの石を売れば、良太がどれだけ悲しむかが目に見えてる。良太の大切な物を奪う気か?」


「これはあの子の為でもあるのよ?学費や給食費、教材の代金……文房具とか将来の資金や貯蓄とか……生活費もよ?そう言うのを考えると、あの石は相当お金になるようだし、


売って良太や生活の為のお金にしてしまった方が断然いいじゃない。石なんて集めていてもお金にするぐらいしか意味は無いわ。


別に原価もタダなんだしその方がいいわよ絶対。」


「お前………人が一生懸命集めて後生大事にしようとしているコレクションを売ろうだなんて……分かっていないにも程がある。


それを集めている人にとってコレクションは大好きな親の形見と同等の価値……いや、値段では言い表せない物だってあるんだぞ。


……前にお前が石をゴミ扱いして捨てようとして、良太が大暴れして止めようとした俺の手足を骨折させた時解らなかったのか?捨てるのも売るのも同じようなものだ。


そもそも売るなんて許してくれないと思うぞ。


現に俺も────」


「そんなのどうだっていいじゃない。また集めなおせばいくらでもいい石なんて見つかるわよ。それに売った方が利益はでるじゃない。


今月は余裕があるけど、来月の事は解らないでしょう。少しでも貯蓄はしておきたいの。」


「俺は良太に味方するからな。」


「はいはい。もう決めた事だから。」




(何だか嫌な予感がする………)






by 作者


皆さん、おはこんにちばんわ!


毎度お馴染みのハナミです!


良太君のお母さんは石達を売ろうとしているようですが……


良太君の反応はいかに………


そして良太君力が着々と大きく…石達と会話できた時の反応も楽しみですね!


次回はその模様をお届けします!


サラダ・バー☆



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