男性の霊と転校生の未来の姿


私、美山みやま 小春こはる


今、小学3年生。


家はお母さんしか居なくて、母子家庭なんだよね。


お父さんは離婚したらしい。



今日は金曜日で、12時まで夜更かししてもいいよって言われてるから、


思いっきり夜更かしするぞぉーー!!



… って意気込んでたら突然



小春

「…!? 体が動かない!何で!?」



声は出せる。


でもこれって、金縛りってやつだよね…


これ、霊的なやつと……とにかく、精神的?脳の誤作動…?


霊的なやつじゃなかったら、この金縛りは解けるはず!!


いっけぇええええ!!うぉおおおっ!!


全力解放の限界突破ぁああああ!!


ふんぬぉおおおおおおおッ!!























─10分後


























解けなかった……(*´・ω・)







足を蹴り上げようとしても、指一本動かせない…


力すら全然入らなかった………


喋れはするものの、悲鳴だけがあげられない…ナゼか大声だけが出せない……



まさか……



本当に霊の仕業なのか……!?やめてやめてやめて本当にそれだけはやめてー!


そんな事実受け止めたくない!! 断固拒否する!否定するッ!!



……しかし


現実は甘くなかった。



ふとちらりと横を見てみた。


……そしたら



小春

(きゃああああああ!!オーーバーーケーーー!!)



真っ白な跳ね髪に、群青の瞳で背が高っいのなんのって!!


やっぱりオバケの仕業だったぁああああ


いやー!!呪われたくなーーい!!

神様仏様助けてぇえええっ!!


お母さーーーん!!

 


でも…


オバケの 男の人 は、私にニコッとして、スッ…って消えちゃった……



小春

「呪わ………れてない?」



やったぁああああああああああ!!


勝ったぁああああああ!!


神様仏様ありがとおぉおおおお!!



……でも、何で私の所に…?



















─翌晩



 


よぉおし!!


今日も夜更かしdayだからはりきって夜更かし、いくぞぉおおお!!


─でもその前に……



─キョロキョロ


小春

「あの幽霊は……よし!360度いない!」



今夜こそ夜更かしするぞぉーー!!


─が、やはり現実は辛辣しんらつだった……



小春

(……!?ま、また!?ちゃんと確認したのに!!)


─バッ!!



金縛りが全身に回る前に思いっきり首を横に回してみた。


すると……



小春

(やっぱりお前の仕業かぁああああ!!)



やっぱり昨日と同じ男の人の 幽霊 だった


だけど、今日は行動があった。


男の人は近づいてきて私に顔を寄せてきた。



小春

(なになになになに絶対やめて何するの!)



今にも唇が触れそうなくらい顔がちかづいた。


うん。イケメン❤️…って違ぁああう!!何する気なのこのイケメン!!


いや、違………


ああもう!!


すると、額と額をくっつけてきた。



幽霊

《何をそんなに荒んでるの?》


小春

(お前のせいだよ!どっか行けぇ!!)


幽霊

《何もしないよ僕。一緒に居ようよ。》


小春

(…………)



結局、その後幽霊に淡々と説得され一緒にいる事となった……


興奮状態だったから、幽霊が念話出来るのすらスルーしてた…



幽霊

《~♪~♪》

  

小春

(……機嫌、良いな… ほんと誰なんだろこの人… 見覚え全くない……)



ここ数日の事を遡ってさかのぼってみたけど、


やっぱりこの男の人の幽霊には見覚えがなかった。



小春

(ねえ、お兄さんは誰?私に何の用?)


幽霊

《見に来た。僕は未来なんだよ。》


小春

(………未来?…未来さん?)


幽霊

《いや、未来って名前な訳じゃないよ。》


小春

(ふうん……)



つくづく不思議な幽霊だなぁ…


お兄さんは足をブラブラさせてベッドの近くに座っていた。















─30分後





幽霊

《じゃあ、そろそろ帰るね。》


小春

(うん。早いとこ帰って)


幽霊

《はは、辛辣だね。また会いに来るよ。近いうちに。》


小春

(はははご冗談を。もう二度と来ないでねお兄さん。)


幽霊

《ふふ、じゃあ最後に……》


小春

(……!?)



お兄さんはいきなり額に顔を近づけてきて……


な、ナニコレ!何この状況!


凄いドキドキする!



─チュッ


幽霊

《じゃあね。》


小春

(~~~~っ!!)



ちょ、な、な、何で!?


聞く前にお兄さんは去っていった。




また近いうちにと言っていたけど、ここら一週間現れることはなかった。


成仏したのかな?


だったらいいんだけど………

















─水曜日




小春

「 お母さん行ってきまーす!」


「いってらっしゃい小春。気を付けてね。」


小春

「うん!」


─タッタッタッ



















キーンコーンカーンコーーン♪


先生

「 今日の朝の会はホームルームだ。新しく来た転校生を紹介しよう。」


─ざわざわ……ざわざわ……


「 新しい転校生ってどんな子だろう


「 やっぱ男の子かな


「 いやいや、女の子かもよ



ふうん、転校生か。


ま、後で挨拶するかな。



先生

「 こら、みんな静かに。じゃあ入ってきてくれ。」


─ガララララ



「「「「「おぉ~~!」」」」」


小春

「……!」


陽斗はると

「こんにちは皆さん。転校してきた、ひのえ陽斗はるとです。」


「イケメ~ン!


「どんな子かな~!


先生

「 皆静かに!じゃあ陽斗、あの席にいる小春の 隣の席に座ってくれ。」


陽斗

「はい。解りました。」


─スタスタ



私は陽斗君に違和感を覚えた。


何処かで会ったような気がしたから。


う~ん?


転校生は、真っ白い髪に群青の瞳。



陽斗

「よろしくね、小春さん。………久しぶりだね」


小春

「ああ、うん。(最後何て言ったのか、小声すぎて聞こえなかった)」


陽斗

「初めて会った気がしないよ。」


小春

「偶然だね。私もだよ。」


陽斗

「もしかしたら僕らは運命……」


小春

「それは絶対にない。」


陽斗

「しゅん………」



だって私は運命の出逢いとか全く信じないタイプだもん。










─昼休み




陽斗

「やっほー小春さん。何してるの?」


小春

「何って……日向ぼっこ。」


陽斗

「隣、いい?」


小春

「いいよ。」



小春・陽斗

「「…………………」」


─スタッ


陽斗

「あっ、 もう終わるの?僕も行く。」


小春

「 別にいいけど、図書室に行くだけだよ?」


陽斗

「 いいのいいの。僕も暇だし。あっ!」


小春

「何?」


陽斗

「今週の週末僕の家に…」


小春

「ごめん、週末は友達と遊びに行く約束してるから。」


陽斗

「あ………そう……(しょぼん)」



実際は嘘。そんな予定ないんだよね。


ただ単に家でゴロゴロしたいだけ~♪


日曜日にゴロゴロするのは私の絶対的お約束なんだから!



陽斗

「手、繋いでもいい?」


小春

「……別にいいけど…………」


陽斗

「えへへ、ありがとう。」


小春

「う、うん」



横顔が少し寂しそうに見えた。


まあ、転校してきたから、色々事情があるんだろうけど………



















先生

「皆さようなら~。気を付けて帰れよ~。」


「「「「「「「先生さようなら~」」」」」」」











陽斗

「小春さ~ん。一緒帰ろ~♪」


小春

「うん。」












小春

「じゃあ、私こっちだから。」


陽斗

「わあ偶然!僕もこっちなんだ。」


小春

「……え?」



これ以上分岐点はなくて、このまま進み続けて角を右に行けばもう家だ。


まさか、同じ道筋に…?

















小春

「あっ、お母さんだ!あれ、誰だろ?」


陽斗

「 あ~。あのポニーテールの人が小春ちゃんのお母さんなの?小春ちゃんのお母さんの隣の人が僕のお母さんだよ。」


小春

「えっ!?」





─タッタッタッ


小春

「お母さ~ん、その人は?」 


「ああ、小春お帰りなさい。こちら、今日私達の家のお隣に引っ越して来た陽美はるみさんよ。」


小春

「こ、こんにちは…」


陽美

「こんにちは。あら、陽斗も一緒なのね。仲良くしてあげてね。これからよろしくお願いします。」


小春

「は、はい。(まさかのお隣さん……)」


陽斗

「 やっぱりこれって運命なんじゃ……」


小春

「じゃあね陽斗君。お母さん、先上がってるから。」


「ええ。宿題終わったら冷蔵庫のアイスクリーム食べていいわよ。」


小春

「わーい!」


─タタタタタタ!!


「あらあら、もう。」


陽美

「うふふ。可愛い娘さんですね。陽斗、私達も家に上がりましょうか。」


陽斗

「……へ?あ、解った。」


「じゃあまた。」


陽美

「はい。これからも末永くすえながくよろしくお願いしますね。」


「ええ。」



















その後、陽斗君は事ある事絡んできて、何だかいつも一緒だ。


そして全て偶然なのか、遠足の時も修学旅行の時も、必ず同じ班だった。


そのせいか、必ず運命じゃないかって言ってくる。


正直言ってウザい。


なんだかんだで小学校生活6年間。やっと私たちも中学生になった。



しかし、やはり陽斗君の顔には違和感があった。


やはり何処かで見た事がある。


成長して、ますます思い出しかけているのに、全く思い出せない……


そして、問題がもう一つ………



中学校の入学式で、これもはたまた運命なのか……いや信じないけど………


偶然なのかわからないけど同じ組になってしまった。



陽斗

「ねえ春ちゃん、やっぱり運命としか言いようがないってこれ!」


小春

「嘘でしょ……私呪われてる?」


陽斗

「えっ!?酷いよ春ちゃん。」


小春

「いやマジでだよ陽斗。」



陽斗は私の事を”春ちゃん”と呼ぶようになり、私は呼び捨てで呼ぶようになっていた。


私と陽斗は同じ2組に入る事となったのだ。














初めての中学校での国語授業。


今日は二人でペアを組んで勉強する事となった。



先生

「 じゃあペアを組んでくれ。」


「「「「はい!」」」」


先生

「 まあ…と言っても、くじ引きでだがな。」


「「「「「ええっ!?」」」」」



というわけで、何故かくじ引きで 決める事となった。



先生

「 くじ引きは先生が決めるからな。 一回に2枚引くから、その引いたくじの番号同士でペア組めよ。」


「「「「「はい」」」」」



1回目は……



─ごそごそ…


先生

「…… 18番と26番。」


小春

「げっ…!」


陽斗

「えっ…!やった!」



皆さんお分かりになるでしょうか。


この反応は勿論。


私と陽斗がペアを組む事となったと言う反応です。


本当に呪われてたりしないよね…


これ…



 

















─下校



陽斗

「ねえ春ちゃん、いい加減認めなよ、僕らって運命の相手なんだって事。」


小春

「 いやいやそれ完全に陽斗の妄想だから。そんなの絶対にないから。」


陽斗

「……そんな事絶対にないよ……だって○*↑◆♂◆…………」


小春

「え?何て?」


陽斗

「ううん、何でもないよ。手、繋ご。」


小春

「あ、うん……?」


























気のせいかな……


最近陽斗が日に日に病んできているような気がするのは………





そして、この夜プチ?事件が起きた。













私がL○NEをしていた時だ。










─ピコン♪


小春

「あ、陽斗からL○NE届いた。」



陽斗

ねえ、認めてよ。



小春

「……まだ言ってる?」



小春

だから、運命なんかじゃないって。単なる連続の偶然だよ。



─ピコン♪


陽斗

違う、違う、絶対にそんな事ない!だって………


小春

どうしたの…?陽斗、何か最近おかしよ。




































それ以来陽斗からのL○NEは届かなかった。







しかも、それから陽斗は一週間休み、先生は風邪だと言う。


今の時期って、そんな長引くような風邪って引きやすいんだったっけ……?







─そして月曜日





小春

「あっ、陽斗!大丈夫?」


陽斗

「………うん」


小春

「陽斗…?」



陽斗の目には、光が宿ってなくて、まるで死んだ魚のような目をしていた。


そっから一日中、ずっとぼーっとしていて、


授業中もずっと虚ろげな表情をしていた。



小春

「ねえ、斗、大丈夫? 今日1日中ずーっと虚ろげだったけど……」


陽斗

「………ふふっ…」


小春

「陽斗、陽斗大丈夫?」


陽斗

「ふふふふふふふ…………うん、大丈夫だよ。」


小春

「……本当に?」


陽斗

「うん。本当に。………ふふ」


小春

「それならいいけど……」


陽斗

「ふふふっ………ふふふふ…ふふ」



その日の陽斗は、帰ってる途中はずっと笑っていてちょっと不気味だった…




それからも陽斗が運命だと言った事を否定したり、


認めてほしいというのを否定したりする度に、休む事はなくとも


同じように不気味な笑いを浮かべるというおかしな症状?を繰り返した。









 

そして、何も進展する事なく、 高校入試

に向けての勉強が始まった。


高校入試の為に勉強に熱中してたから、陽斗とは全く会えなかった。


スマホの電源をきりっぱなしだ。


また変な症状出てないといいけど………






そして、 高校入試の為の試験テスト当日、久しぶりに陽斗に会った。



陽斗

「何だかすっごい久しぶりな気がするよ。お互いに志望校に入れるように頑張ろうね。春ちゃん。」


小春

「うん。頑張ろう。」


良かった。


何ら変わりはなくて。
















結果は……









 

 


小春・陽斗

「「やったぁー!受かったー!」」



無事、志望していた高校入学が出来るようになっていた。


しかし……



小春

「やったね陽斗!陽斗はどこ校?」


陽斗

「え?私立○○高等学校。」

 

小春

「え……私も同じ……」


陽斗

「嘘!やっぱり運命なんだよーー!!」


小春

「ははは………」



まさかの志望校かぶりである。


小春は本気で呪われているのではないかと、悩むのだった。
















そして、やはり高校でも、同じクラス同じ成績順位で同じ部活という偶然っぷり。


でもなんだか慣れちゃったや……



そして、高校3年生で転機は起こった。



小春

「じぃ~~……」


陽斗

「? どしたの春ちゃん。キスしたいの?」


小春

「いや……う~ん………」


陽斗

「僕の顔に何か付いてる?」


小春

「…………何か……思い出しそう……」


陽斗

「へ?」



小春は、あの違和感を思い出しかけていて、前より更に鮮明に思い出しそうだった。




後少しで思い出しそうなのに思い出せない………



私は何故かふと、小3の時に見た幽霊を思い出した。


ん?


あの男性の幽霊……


陽斗にめっちゃ似てるような……



小春

「あぁあああああああ!!」


陽斗

「わっ!?な、何!?急に大声揚げて……」


小春

「やっと思い出したーー!!」


陽斗

「だから、何を?」


小春

「陽斗……○○小学校で、陽斗が転校して来る前……私、陽斗に会ってた………今の姿の陽斗に……」



そう言うと、陽斗がいきなり……



陽斗

「ふふふふ……♪」


小春

「えっ!ま、また!? ここ数日断ってたりしてないよね!?何で!?」


陽斗

「何でってそりゃあ……やっと小春が思い出してくれたからだよ。」


小春

「えっ…!知ってたの…!?」


陽斗

「ああ…転校するからね。」


小春

「やっ……ばり……?」


陽斗

「僕の転校が決まる前、不思議な夢を見たんだよ。」


小春

「夢…?」


陽斗

「うん。小学生の春ちゃんと僕が寄り添ってる夢。」

 

小春

「予知夢…?」


陽斗

「そうかもね。僕がその夢を見た時、何故だか、この子が僕の運命の相手なんだって……直感したんだよね。」


小春

「でも、私と所に来た生き霊?の陽斗は、今と同じ、高校生の陽斗だったよ?」


陽斗

「それもきっと予知を兼ねてだろうね。それで、二回目に夢を見た時、僕らが通っていた○○小学校が出たんだ。その翌日に転校先に○○小学校が決まった。」


小春

「陽斗は、見に来た、僕は未来なんだとか…… 近いうちにまた来るだとかそんな事言ってたなぁ……」


陽斗

「そして見つけた。夢で見た春ちゃんを。やっぱり、運命でしょ?…………だから、付き合ってよ。春ちゃん。」


小春

「えっ」



耳の先まで赤くなって行くのが、私には解った。


確かに……


陽斗とは幼馴染み同然な程仲良しだし嫌いじゃない……



陽斗

「ねっ、付き合ってよ。春ちゃん。」



ここで断ったら、病み気味の陽斗に何をされるかも解らないし……




小春

「…………うん。いいよ。」


陽斗

「やったぁ!」




こうして、流石の私でも、運命と言うのを渋々受け入れざるを得なく、


付き合う事になった。





小春

「私、高校卒業したら、そのまはま就職活動しようかなって思ってるんだ。」


陽斗

「ほんと奇遇だね。僕もそうしようと思ってた。」


小春

「そっか……これも、運命なのかな。」


陽斗

「…!!……うん。きっとそうだよ。」


小春

「そうだね。」




























高校卒業後、



私と陽斗は今じゃ二十歳はたちで、結婚もした。


今でも陽斗は病み気味だけど、陽斗には変わりない。


本当に、運命なんてあるんだな。







 



by作者


皆さん、2回連続での未来の姿科ヤンデレ目の話どうだったでしょうか?


皆さんは運命の出会いを信じますか?私は……多分信じない方ですね。


ですが皆さんはどうでしょう、ご相手がいて、この人が運命の人だと言えるでしょうか?


今一度、運命の相手か、見直して見てはいかがでしょう。


では、また次回。










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