伍
「大丈夫? 父さん……」
「あぁ、すまない……」
一時間ほど泣き続けていた武雄は、いまは鼻を
「父さん父さん! 俺、父さんと遊ぶために色々持ってきたんだ!」
がしゃがしゃと音を立てながら中身が居間の畳をたたきつけて落ちる。
囲碁、将棋、お手玉、けん玉といった渋い遊び道具からトランプ、オセロ、人生ゲームといった今の子供でも遊ばれているものまである。他にも
「これは……」
武雄は目を見開いた。その瞳がとらえたのは、傷だらけの硬式野球ボールで、それを手に取って見る。
『父さん、俺、将来プロの野球選手になるんだ!』
息子がかつて武雄に夢を語ったことが思い出された。
「父さん、野球やろ!」
期待を込めた
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