第2話
ピュィ コンコンッ コンッ ピュィピュィッ コンピュィッ ピュィコンッ ピュィコンコンッ コンッ…
鳥の鳴き声と窓を叩く音。
昨日の疲れはまだ残っているというのに、勝手なものだ。嫌味のひとつでも言ってやりたいが相手はそれを嫌味と捉える事は無いだろう。
窓を開け使者を迎え入れる。首に下げてある小さな瓶を受け取り、蓋を開けると中から砂が舞出てきた。砂は1度空中で渦を巻き、やがて細い砂の糸を紡ぎ出す。まるでペンを走らせてるかのように、文章が現れた。
今回の依頼内容も、数日かかりそうだ。
残りの砂を取り出し、"出立する為には、まだ数日を要する。"とだけ指で綴る。
使者は心得たもので、綴り終わると見てとるや嘴を使って器用に蓋を閉めてまた首に掛けると、用意していた欠片を咥えて窓から出て行った。
「挨拶も無しか。」
溜息に文句を込める。時間を確認するとまだ日は昇っていない。やり切れない気分を拭い、寝直す事にする。外から聴こえてくる木々の葉音を子守唄に、また眠りへと落ちて行く。
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