第20話癒しの空間に
自室で、癒しの存在である夏花とベッドに座り、壁にもたれ掛かり会話をしていた。
「今度の試合、応援に来てくれませんか?春ちゃん先輩の手作りもあると嬉しいですっ!」
手を優しく握ってくる夏花。
「応援に行くよ。今度の試合に勝てば全国にいけるんでしょ。夏花の努力を知ってるから、どんな結果でも胸を張っていればいいからね」
「ありがとう。決勝戦で勝って笑顔を見せつけますから!見ててくださいっ春先輩」
俺は、凛々しい顔付きに変わった彼女に一言、その調子で突っ走って、最高の笑顔を見せてとエールを贈る。
「はい、春先輩っ」
力強い返事が聞けて、夏花の頭を撫でた。
「おかずは何が食べ──」
俺は、夏花に訊ねようとしたら、扉が開いて遮られる。
「おっ邪魔~ハル。涼しいー......って、後輩ちゃんがいるぅ~いちゃラブ現場を目撃してしまったよっー。羨ましすぎるよっ、ハルとイチャイチャしたいのにぃ~私も。さぁさぁ、お二人ともいちゃラブを続けて続けて~!」
「......って、おまっ!何できてんの!デートはどうしたんだよっ!てか、席を譲るような手の動きをやめろ。その顔もいい加減やめろって!」
俺は、ベッドからおりた。
忙しなく、表情が変わる宇佐見。
「ごめんって。デートが終わって別れたから、久しぶりにハルと遊びたくなっちゃってぇ~てへへ」
「てへへ、じゃねぇよ」
「浮気、ですか......春ちゃん先輩?」
夏花に、誤解されている。
「浮気じゃないからっ!腐れ縁みたいなのだから、彼女とは。それだけだからねっ!夏花!」
今にも手を出されそうと感じて、振り返り怒りを収めようとする。
「ハルとは5年も付き合いがあって、あんなことやこんなことをして、仲を深めあったのに......」
「これ以上ややこしくさせないで、黙ってくんないっ!」
「5年......付き合い......あんなこと、こんなこと......」
夏花がぶつぶつ呟いているけど、殺されるような。
「隣いい?ふぅー」
訊ねながら、ベッドに腰をおろした宇佐見。
「訊ねる前に座ってんじゃねぇか!」
宇佐見が、無邪気に笑って囁いた。
「ハル、楽しい?」
「楽しいわけねぇだろ」
小声で返したが、首を振って訊ね返してきた。
「そうじゃなくて、後輩ちゃんとの付き合いってことだよ」
「楽しいよ」
「それなら、よかった。まだゲームってあるの?」
俺には、宇佐見が何をしたいのかわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます