第15話彼女と仲直り

翌日、金曜日。

SHR前。

俺は、教室でスマホを弄っていると横から謝罪が聞こえた。

「春先輩っごめんなさい!あんなことでっ、高校生なのに大人げなかったです」

「えっ夏花?いいから、頭をあげて」

周りにいたクラスメートの視線が集まる。

茅透が苦笑している。

「廊下行こっ」

彼女の手を取り、廊下に出て壁に寄りかかり、手を離す。

「許してくれますか、春先輩?」

「許さない、何て言うと思うの?俺の何がいけなかったの、結局?」

「......いわな、いと思う。笑わないって約束してくれる、春先輩?」

「場合によっては、笑うけど」

「何でなのっ!」

声を荒らげる彼女の肩に手を置いて、

「冗談だよ、笑わないって」

「それは──」


空き教室。

「いつまで言うんですか。笑いすぎだってぇ」

「いや。本当に大人げないなあって、思っただけだよ。待ってようか、放課後?」

「もうっ!一人で帰ろうかな、私」

「素直じゃない、夏花って。友達と帰るよ、今日は」

「嘘だって!一緒に帰りたいって、春先輩!ごめんってばぁ、待っててくださいっ!お願いしますっ」

「揺らさないで。わかったから離して。待ってるから」

「からかって面白いの?私じゃなかったら付き合えないよ」

「そうかも。放課後に」

俺は、一言言い残し、椅子から立ち上がり、教室を出ていく。


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