第6話可愛い後輩の想い

昼休み。

保健室のベッドでは、後輩が寝息をたて、寝ていた。

「おーい。夏花、まだ寝てるのか?」

「ううぅ、あ、れぇ。はるせ、んぱい......なんで?」

「なんでって、下駄箱で夏花が──」

「あっ、ああ思い出した。運んでくれたんですか、春先輩?」

「そうだよ。いつもみたいに呼べよ、調子が狂うっていうか、気持ち悪い。今の夏花」

「気持ち悪い、か......」

「ごごっごめん。気持ち悪いってそういう意味じゃなくて。落ち込まないで。もしかして、昨日のことでおかしいのか?」

「......う、うん。春先輩が釣り合わないって......」

「いや、それは俺が冴えないし、夏花だったら俺よりかっこいいやつと付き合えるって意味で。あの、夏花が俺のこと好きってのは本当なのか?」

「そうだよ。私は春先輩のことが......すっすす、きなん、だよ。気付いてくれてなかったの?」

「どう、なんだろ。よく分からない。俺以外には興味ないの、夏花?」

「そっそれは......言わせないで、よぅ。春先輩。意地悪だよ、先輩。大好きです、春先輩......これでいいですか」

「いいけど、本当にいいの?俺で」

「後輩にここまで言わせといて、そんなこと言うんですか?」

「......だって、俺なん──」

「春先輩がいいです、春先輩じゃないと嫌です。付き合ってください」

手を差し出す後輩。

「わかったよ。付き合おう、夏花。付き合うなら、いつもみたいに呼んでくれない?」

「う、うん......春ちゃん先輩」

「うーん、先輩はなしで」

「えっ、はる......ち、ゃん......って、それは無理ぃ。春ちゃん先輩で」

「あはは。いいよ、それで。教室に行ける?」

「もう大丈夫。ありがとう......はっ、はは、春......」

「はい、どういたしまして。夏花」

可愛いは、頬を赤くしている。

可愛い後輩が恋人になった。

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