第4話二人の後輩と下校

放課後、校門を抜けたときに後ろから足音が近付き、頬にやわらかい感触を感じた。

「春ちゃんせーぱぁいっ。ボッチじゃないですか、また。私以外はかまってくれないんですか?友達である私が隣を歩きますよぅ。しょうがないなぁ~」

隣を歩く後輩の後ろから息があがっている女子が追い付いて、謝ってきた。

「夏花ってば、香河先輩に失礼だよ。香河先輩。夏花が失礼なことを、ごめんなさい」

「謝らなくていいから。もうなれたよ、夏花には」

「お似合いと思うな。夏花と香河先輩ってカップルみたいで素敵です。付き合ったらいいのに」

「夏花には釣り合わないよ。他にいるだろうし......」

「嫌だなぁ~みーちゃん。私は話しやすいから春ちゃんせん──」

「夏花のことはお見通しだよぅ。香河先輩のことが大好きで、付き合いたいって思ってること。バレバレだよ」

「なっなな何言ってんのっ、みーちゃん!ちち、違うからっね。逸らさないでよ、春ちゃん先輩ってば。想ってない、ないないっ。そんなことはっ」

動揺している可愛い後輩の夏花。

顔を逸らしたことに気付いた彼女がひっしに否定している。

通行人が不思議そうに、うらやましそうに見てくる。

「そこまで言われると、流石に傷付くんだけど......」

「そ、そのぅ......きずつ、けるつもりじゃ......なくて」

可愛い後輩の夏花が俯く。

「ごめんなさい。何かおごるので許してくださいっ」

立ち止まり、俺と夏花に頭をさげる。

「そこまでしないでよ。帰ろうよ、ねっ」

「......」


夏花の友達を説得して、歩きだし、自宅が見えてきた。

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