3章10話 - 共食い
「……さっすが七つの大罪〈暴食〉様。そうきたか」
そうとしか言いようがない。
ベルゼブブの
〈
またキリスト教によって
だが人はそれを戦略とは言わない。悪魔の所業と呼ぶ。
「我、
我、
汝ら七つの悪魔を
主の復活がごとく地上への帰還が
同瞬、神魔の
「クソ
「同感。黒くて分身
光さえも
戦場を焼きつくす地獄の炎。死ねよ
だがそれでも、――それでも
「……おい。死ぬなよ人間。てめえが一番
「なによいまさら。今、
「
「あーっと、お前ら。死亡フラグはそのへんにしとけよ」
「ぱくれとかしぼうふらぐとか、さっきからわけわかんねェ言葉ばっか使ってんじゃねえぞコウモリ野郎」
彼が話すたび、歯の
「――……目覚めが悪ィだろうが。アベルに関係ねェやつをここまで巻き込んで、あげく死なれちまったらよ」
……そればかりは
当人は
「……世界よ、私は今ここに宣誓する」
だから、今度こそ向き合おう。
想いを言葉にして、態度でつたえよう。
あなたを知りたい。バベルでもアベルでもない、皆守紘としてのあなたに
「私は純潔の乙女――〈
「……はァ!?」
カインの悲鳴をまたず、恩恵享受の衝撃波が世界を
「このタイミングでバフとはわかってるじゃねーか!」
現代人のシャロンをもってすら意味不明なスラングと共に、ナオは
〈暴食〉の恩恵をわかちあい、〈鋼鉄の処女〉の牙はさらに神威を増す。あたかも
「さあて、ご退場願おうか!」
「てめえにゃなんの
「勝つのは私たちよッ!」
当然、刃をおさめる本体がそのままでいるはずもない。共食いにより見上げるほど巨大化したベルゼブブの――
ぞろり、と
共食いを
「……馬鹿な……!
爆砕音。――爆轟音。
果てる日など
「
靴底が、薔薇の咲き誇るやわらかな大地に触れる。着地して――いつでも飛び出せるように構えながら、シャロンは
不意に、なにかの影が
すこしずつ
「……そんな、まだ生きているなんて……」
現れたのは女神イシュタル。
攻撃にそなえ、
七を数える悪魔たちは消失した。イシュタルの支配下にあったといえ、同格の者もいたのだから、たとえ首領の座についていようと大淫婦だけが余力を残せようはずもない。
「……ハッ。終わったな」
「ある意味ここから始まるんだけどな」
――この世界を、地獄が
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