卑しさと聖らかさと心強さと
ザサザサ ザサササササ
って音がするから 窓に寄ってみると
案の定 トンボが1匹 床で もんどりうって羽ばたいていた
俺は親指と人差し指で羽をつまんで
窓を開けて逃がした
今シーズンでかれこれ もう 6匹目だ
いったい トンボがどこから家に入ってくるのかわからないけれど
これで 6匹目って多いと思う
どのトンボも逃がしてあげた瞬間
一瞬 羽ばたくのをやめて (此処は外だ!) というのを確かめて
それから 歓ぶように羽ばたいて曲線を描きながら行ってしまうのだ
俺は卑しい人だから 毎回 トンボの恩返しを心のどこかで期待している
と同時に 聖人面した心の一面が素知らぬ顔で恩返し願望に蓋もしている
ふふふ トンボにも神様にもバレバレだってば
でも 6匹目だよ
さすがに そろそろなんかあってもいいんじゃない?
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