第9話 鬼の親玉

一方その頃―――


この鬼ヶ島の頭領のもとに、謎の少年が一人で鬼ヶ島に攻めてきたという報告が入りました。


その報告を受け、頭領はハッと息を呑み込みます。


「やはり、その少年というのは・・・」


「・・・恐らくその通りかと。

しかし、どうして・・・

どうして・・・こんな、事を⁉」


報告に来たその者は、悲痛な声音で頭領に問いかけます。


頭領はしばし無言に陥り、そして彼に告げました。


「・・・恐らくは復讐―――俺を殺しにきたのだろう。」


その言葉に、報告役のその者は焦りを隠せない様子で頭領に判断を迫りました。


「しかし・・・これ以上同胞が殺されるのは・・・」


しかしそんな彼の言葉を頭領は遮ります。


「分かっている。これは全て俺の責任。俺が全ての罪を贖うべきだ。」


親玉はそう言い残し、その少年の元へと発ったのでした。

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