共に闘い呼吸を合わせ、勝利を得ん
たけやん、るっち、さごは風のようなスピードで敵陣へ突っ込んでいった。
私は
でもこれもあと二回しか使えないから使いどころを間違えないようにしないと。
奏汰と二人でゴズモグ王と対峙する。この世界に来たら自然と奴が、ううん、彼が何者なのか分かった。私たちが元居た世界の住人で偶然
私は槍を、奏汰は二本の剣を構える。
二人で交互に、あるいは同時に攻めたてる。こいつのモーニングスターは当たれば痛いけど攻撃回数は少ない感じ。だから上手に避けてちまちまダメージを与え続ければ。
一方でたけやん、るっち、さごも大活躍をしていた。
さごは敵をちぎっては投げちぎっては敵陣に投げ、オーガまで拳で砕いて投げ飛ばす。
るっちは避けて避けて避けまくって敵の急所を鋭く突いた。
たけやんは光と水の合成広範囲呪文で敵を瞬く間に押し流していく。
そう、私たちも奏汰と同じ
ところがこちらはなかなからちが明かなかった。ゴズモグ王の皮膚は鎧よりも固いのでろくなダメージが与えられない。
私は奏汰のそばに寄り添って小声で言った。
「奏汰、これじゃ時間かかってしょうがないよ」
「うん、じゃあ一気に片付けよう。僕がアイスバレットを撃つからひるんだすきに大技で一気に畳みかけよう」
「あ、それ私も撃てる。弱いやつだけど」
「じゃ一緒にやろう。僕が合図した通りに動いて」
「了解」
奏汰が剣を交差させる。
「アイスバレット!」
二人で氷の粒を大量にぶつける。炎属性のゴズモグ王は間違いなく悶絶している。
「行くよ!」
「うんっ!」
奏汰に言われて私も奏汰に合わせてゴズモグ王に向かって駆けだす。
奴は反撃しようとているけど、視界が氷のせいで良く見えないようだ。
奏汰は楽々とゴズモグ王のモーニングスターと手をかいくぐり脇腹に潜り込み腹部の半分以上を切り裂いた。
私も飛ぶようにゴズモグ王に近づき、今度は本当に高々とジャンプ。狙いは僅かに反れ首の付け根に深々と槍を突き立てた。それを抜くと飛び退って奏汰と合流、もう一度武器を構える。
ゴズモグ王は相当弱っているようだけど、まだ動けるんだ。どんだけ。
「心臓を狙おう。これでけりをつける」
「わかった」
緊迫感に満ちた中でもよくわかる。私と奏汰の呼吸が。ただの息だけじゃなくて動きが視点が考えていることがよくわかる。手に取るようにわかる。
さっきみたいにもう合図はいらない。奏汰が動くと同時に私も。
「ふっ」
「はっ」
ゴズモグ王が苦痛で身体の動きを一瞬固まらせた時、私と奏汰は飛ぶように、間合いを詰めた。
「これで終わりだっ!」
「ええいっ!」
二人同時に心臓へ剣と槍を突き立てると、ゴズモグ王はゆっくりと崩れ落ちた。
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