主人公たちの談義3

美琴「こんにちわ。えっと、清水美琴です。突然ですが、私にはすごーく悩んでいることがあります」

あきら「なに?なに?美琴ちゃん、悩んでンの? 俺が聞いてあげるよん♥️」

美琴「えっと、そのお……」

朝矢「なんか、こいつがでしゃばるとややこしくなる気がしてならないんだけどなあ」

冬馬「そんなことないと思うよ。あきらくんは飄々としているけど、ちゃんと聞いてあげられる人間のはずさ」

朝矢「なぜ、そう思う。店長」

冬馬「だから、店長じゃないからね」

朝矢「はいはい。そういうことにしとくよ」

冬馬「なんか気になるなあ。その言い方。それよりもどんな悩みだい?」

朝矢「お前も結局聞くのかよ!」

あきら「まあ、いいじゃないかい。みーんなで聞こうよーん。そこで食べてばかりの君は……」

フェルド「モグモグ」

朝矢「こいつ、食うこと以外興味ないぞ。ぜったいに!」

フェルド「モグモグモグモグ」

あきら「そんなことないっていっているよ。ちゃんと、聞くってさあ」

朝矢「てめえはどうして、わかんだよ」

あきら「かーんたーん♥️そんなこともわからないのかなあ。お兄さん。きみ、大学生だよねえ。オレより年上だよねえ」

朝矢「うるせえ」

八郎「ハハハハ。まあ、よいではないか。娘の話を聞こうではないか」

朝矢「おまえはなぜそんなに目を輝かせているんだよ」

八郎「よいではないか。おもしろきことがあるかもしれんと思うとうれしゅうして」

朝矢「いったい、どんなこと期待してんだよ! このデカブツ」

冬馬「こらこら、君たち、少しは黙りなさい。彼女が話しづらそうにしているじゃないか」

八郎「すまん」

朝矢「わりい」

あきら「ごめんなさい」

フェルド「モグモグ」

冬馬「それで? 君の悩みは?」

美琴「私、一応主役やっているんですよ」

一同「うんうん」

美琴「でもねえ。でもねえ。私、全然主人公らしくなーい! なんか、男の子達が目立っちゃっているんですよ。神威くんの過去とかなんかが出てくるし、それに有栖川も乗っかっちゃってるし、私、完全に茅のそとなんです。そのうえ、なんかユリア。私の友だちです。彼女といっしょに先生に拉致られちゃったんですよ。これって、主人公じゃなくて、ヒロイン的立ち位置じゃないですか? これからどうなるの私と思ったら、過去編はじまっちゃって、私そっちのけで有栖川のお父さんが主人公みたくなっているんです!これって、どうことなのよおお」

朝矢「一気に話したな」

八郎「ハハハハ。これはよい娘じゃ。この勢い、白縫といい勝負じゃなあ」

冬馬「それは大変だね。でも、長編ではよくあることだと思います。おれの場合、息子のほうがメインみたいになってるからね」

フェルド「モグモグ」

朝矢「こいつは食ってるだけで主役はってんだぞ」

フェルド「モグモグモグモグ」

あきら「そんなことないっていってるよ」

朝矢「翻訳どうもって、自分の言葉で話せ!こらあああ」

(朝矢、食べ物を強引に引き離す)

フェルド「ああああ、俺の食いものがあああ」

あきら「ハハハハ。じゃあ、フェルドくんの意見直接どうぞ」

フェルド「まあ、よくあることだな。俺もこんなんだから、どちらかというとエドルフメインって言われても仕方ない状況だよ。はい食わせろ」

朝矢「やるかよ。ぼけ」

あきら「まあ、ようするに、作者次第ということで」

美琴「作者さん、どうにかしてください」


作者「はい、がんばります。ちゃんと、主人公らしいことさせます(^^;」

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