第134話 戦士達の狂乱

 男たちの放つ気勢が戦場の中心でせめぎ合い、一進一退の攻防を繰り広げていた。


 上段にミスリルロングソードを構えるヒロが、オクタの二槍流の構えを見ると、頭の中のスイッチを入れスローモーションの世界で思考を始める。


(二槍流? 槍の変幻自在の攻撃を捨ててまで二槍を手にする利点はなんだ? 攻撃範囲の拡大? 攻撃と防御の両立? 連続攻撃による手数の増加? いや違う……確実に相手を仕留める攻撃力の特化?)


 ヒロは、長大化した意識の中で手に入れた情報を次々と処理し、オクタの二槍流に対抗するすべを模索していた。


 対するオクタは、ひたすらに闘気を練り上げ槍に力を溜めて行く。


 オクタは自分に打ち勝つために、ひたすら対策を考えているヒロを見て、静観していた。

 今攻撃すれば対策を講じられる前に、ヒロを倒せるかもしれない。だが……。


「そったら勿体ないこと、できるわけないべ?」


 オクタはそう呟くと……ただひたすらに、自分の闘気を高めてゆく。

 

 どの道死ぬ運命ならば、最高の戦いの果てに死にたい……戦士としての誇りが、彼をさらなる高みへといざなう。


「こ、これは? まさか、あのオークと同じ?」


 オクタから発せられる重圧プレッシャーに、かつて出会ったオークヒーローを思い出したケイトとシンシアの体が震え出し、動きが鈍くなる。


「まずいよ。あの時と同じ……ヒロひとりじゃ!」

 

 ケイトがヒロを心配して、リーシアの顔を見る。


「ケイトさん大丈夫です。ヒロがひとりでやると言いましたから……多分大丈夫です。それに、ヒロはもうあの時のとは違いますよ」


 ケイト達が不安で顔を暗くする中、リーシアだけは違った。

 その顔に不安の色はなく、その瞳は真っすぐにヒロを見守っていた。


「あんた……変わったね」


「ん? 私ですか? 別に何も変わっていないと思いますが?」


「雰囲気と言うか、ヒロを見る目がさ……まさか一発やっちゃった?」


「一発?……」


 ケイトが冗談混じりの言葉をリーシアは……『ポンッ』と手を叩きケイトの言わんとしている事を理解した。


「それなら、一発どころか何発もやっちゃいました」


 いきなりの爆弾発言に、ケイトとシンシアは顔を赤らめてしまう。


「ええ!……な、何発も⁈ それはヒロの方から⁉︎」


「いつも私からですね。目を離すと、すぐに変なことやりだしますから……たまには普通にしてほしいですね」


 さらなる爆弾投下に、ケイトとシンシアの二人が口をパクパクさせて顔を真っ赤にしていた。


「め、目を離すと変なことって……一体どんな事しているんだい?」


「え? どんなって普通に腹パンチですけど? いつもヒロがバカなことをするので……目に余る時は腹パンチ一発で黙らせます!」


「え? 腹パンチ?」


「はい。今、腹パンチの話をしていたのでは?」


 その言葉にケイトとシンシアの二人が別の意味で顔を真っ赤にしてしまった。


「そ、そうだよな……オークに囚われていたのに、そんな事できるわけないか」


「そうよ。やーねケイト、私てっきり二人が寝たのかと……」


「寝た? 誰とです?」


 リーシアが頭の中で言葉の意味を考え想像すると……『ボンッ』と顔を一気に真っ赤にさせて慌てて訂正する。


「ち、ち、ち、違います! 私とヒロは、まだそんな関係じゃありません!」


 ようやくケイトの言葉の意味を理解したリーシアは、真っ赤にした頭の上に手を伸ばし、パタパタと動かす手がイケナイ妄想を霧散させていた。


「まだと言うことは……いつかは⁈」


「な、ないです! ヒロとそんな関係になるなんて、絶対にないです!」


「本当! なら私が頂いてもいい? アンタがいたから遠慮する予定だったんだよ」


「ケイトずるいです! リーシアさんの彼氏でないなら、私もヒロさんの彼女に立候補します!」


「え? 正気ですか? 相手はあのヒロですよ?」


「リーシアさん……気づいていないみたいだから言っておきますが、ヒロさんは優良物件ですから!」


「ゆ、優良ですか⁈」


「ええ……あの若さでギルドマスターに期待される有望冒険者なんてなかなかいません。リーシアさん近すぎて気づいていないみたいですが……容姿もよくみると良いですし、あの黒髪と黒い瞳がエキゾチックで魅力的です」


「これで伝説のオークヒーローに勝とうものなら……英雄の誕生だからね。放っておく女性はいないよ」


 意外に高スペックで将来有望なヒロの存在に、周りの人々が気づき始めリーシアは複雑な心境だった。

 

「あのヒロが……モテる? だってヒロですよ? 正気ですか⁈」


 ブツブツと独り言を口にしながらリーシアが考えていると、突如周りの空気が変わり、より重苦しい重圧プレッシャーがリーシア達を襲った。


「く、空気がまとりついてきて……か、体が動かせない」


「キツイです。これは一体……」


 ヒロとオクタの放つ気勢が一気に膨れ上がり、闘気が使えないケイト達の体の自由を奪ってしまう。


「動きます!」


 闘気をまとい平然とするリーシアの言葉と共に、オクタが独特な構えで槍を手に走り出した。


 槍投げ選手のように右手の槍を肩に担ぎ、左手の槍は地面ギリギリまで穂先を下げていた。


 ヒロは走り来るオクタを真正面から迎え撃つため、タイミングを合わせて、白くボンヤリと光るミスリルロングソードを強く握り込んだ。


 相手の防御ごと叩き斬る、剛の上段切りをヒロが打ち出そうとした時、肩に担いだ右手の槍をヒロに向かってオクタが投げる!


「軌道が低い、牽制狙いからの足封じか?」


 必殺の一撃を秘めた槍が放たれた瞬間、ヒロは槍の軌道を見切り、後ろへ飛んでいた。


 槍はヒロの手前で地面に突き刺さり、危なげなくヒロは投げ槍を回避していた。


 しかしオクタは、攻撃が避けられた事など意に介さず突き進む!

 左手に持った槍を両手持ちに変え、正統派スタイルでヒロへと迫る!


「パワースラッシュ!」


 オクタがヒロの間合いに入った時、ヒロは斬撃スキルを発動して剣を上段から振り下ろした!


 下から切り上がる槍と上から斬り下ろす剣……力勝負でなら上段斬りが有利だったが、オクタの狙いはヒロに槍を当てるのではなく、剣を弾くことだった!


 オクタの槍が、上から振り下ろされる剣の左側面からぶつかろうした時、槍の穂先が一瞬沈み込むとヒロの剣の下を通り抜け右側面に移動する!


 そしてオクタが槍を外に向かって振り払うと、ヒロの剣は大きく軌道が逸れ、オクタの左に空いていた空間に流されてしまう。


「これが狙い⁈」


 まるで穂先が消えたような瞬間の攻防に、ヒロは反応できなかった。


 剣が横に流されてしまい体勢を崩すヒロ……するとオクタが手に持っていた槍を手放すと、先ほどヒロに投擲して避けられ、地面に突き刺さっていた槍に手を伸ばす。


「本命はこっちだべ!」


 オクタの槍が地面から引き抜かれると、再び斬り上げる槍の一撃がヒロに迫る。


「避けられない! Bダッシュ!」


 ヒロは横にも後ろにも避けず、あえて前へと足を踏み出していた。下から迫るオクタの持つ槍の柄に足を乗せ、Bダッシュを用いてオクタの槍を踏み台に空を駆ける。


「そっただ避け方があったべか!」


 空中で体を半回転させ、逆さまの格好でオクタの位置を確認したヒロは、空中で二段ジャンプを発動し真下にいるオクタに向かって加速する。

 

 ヒロの持つミスリルロングソードが、流星の如き白い軌跡を残し、オクタへと流れて落ちる!


 オクタは上から流れ落ちる白い軌跡に向かって、槍を突き出して迎え撃つ!


 激突する剣と槍!


 今度はオクタの槍がヒロの剣に力負けし、攻撃をらされてしまった……穂先がヒロの頬を掠めるが、ギリギリで回避されてしまう。


 互いに一撃を入れられず、ヒロがオクタの前に着地すると同時に屈み込み、背を見せながら回転下段蹴りを打ち出していた!


 オクタはとっさに後ろに飛んで、蹴りを空中で回避するが、回転蹴りから立ち上がるヒロのつり上がった口元を見て叫んでいた!


「しまったべ!」


 ヒロは下段蹴りを繰り出すと同時に、腰に刺したスローイングダガーに手を掛けていた。


 回転蹴りの勢いを利用して立ち上がり、ダガーを投擲するヒロ!


 当然、ダガーには闘気が込められていた。


 通常に投げるよりも、速度と威力を増したダガーがオクタに迫る!


 避けられない! そう判断したオクタは、無意識に右手をダガーの軌道に合わせ伸ばしていた。

 手のひらを貫通するダガー……オクタは右手を潰されてしまったが、致命傷だけは回避していた。


「グウッ!」


 痛みで声を上げながら着地すると体勢を立て直すため、オクタが警戒しながら後ろへ下がる。それを見たヒロは、頬についた血を手で拭い再び剣を構え直した。


「やられたました。二槍は囮で三撃目の両手持ちが本命でしたか……」


「アレを避けられるとは思わなかったべ。これだがら戦いは面白いべ」


 ヒロはミスリルロングソードに溜めチャージを始め、同時に闘気も剣に込め始める。


 あまりの威力にリーシアに使用を禁じられ技を、ヒロはあえて使う。


 ここで自分が持ち得る全てを見せなければ、戦士としての礼儀にもとると判断したからだった。

 

 手のひらを貫通して突き刺さるダガーを、無理やり引き抜き地面に投げ捨てたオクタは、左半身を前にすると槍の穂先をヒロに向け両手で構える。


 先程の二槍よりも隙の少ない構えに、これが本来の構えであると感じていた。


「そっちが本来の構えですか?」


「んだべ〜、さっきのは長に勝つために修練していたやつたべ。やっぱりこっちのがしっくりくるべ」


 手のひらから流れる血が槍を伝い、地面に溢れ落ちながらもオクタの構えは崩れず、ヒロの隙をうかがいながら少しずつ近づき始める。


「オクタさん……強かったんですね。驚きました」


「あ〜、オラも昔は長とよく一緒に戦って勝っていたもんたべ。あの絶対防御の力を得てからは勝てなくなっちまったべがな。それからは戦うのが馬鹿らしくなっちまって、本気で槍を振るうなんてなくなっちまった」


「オクタさん……」


「でも、お前と長の戦いを見て思い出しちまったべ。戦いの楽しみってやつをだべ。恥を忍んでお前との戦いを挑んで正解だったべ」


 オクタの顔は笑っていた。心から笑った顔は、とても今から生きるか死ぬかの死闘を演じる者の顔には見えなかった。


 二人の間合いは、話しながらもジリジリと距離を縮め、ついにあと半歩でヒロに攻撃が届く間合いにまで、オクタは近づいていた。


「戦士ヒロ、広場で戦った長は、まだ力を出し切っていなかったべ」


「どう言う意味ですか?」


「本当の長は……カイザーはまだ力を隠しているべ。共に戦ってきたオラには分かるべ。そして今のままでは戦士ヒロの力が届かない事もだべ」


「カイザーはまだ力を出し切っていないと?」


「あれは勝ちすぎたべ。その結果、誰にも負けなくなり、無意味な勝利に虚しくなっちまったべ」


「カイザーが?」


「たべ。誰が相手でも、あの絶対防御で勝利してしまう戦いに飽きあきしてるべ。何も感じる事ができない戦いほど、つまらないものはないべ。最後の戦いくらいオラみたいに楽しみたいべ?」


「オクタさん、アナタはまさか……」


 するとオクタの闘気が膨れ上がり、溢れ出した気勢が周りの空間に再び重圧プレッシャーを掛け始める。


「さあ、これがオラの放つ最後の一撃だべ! 見事、打ち勝ってみるべ! 勇者エロヒロ!」


 オクタの闘気が爆発し半歩前に踏み出した瞬間――裂帛の気合と闘気を帯びた槍の一撃が突き出された。


「ぼ、僕を勇者エロと呼ぶなあァァァァァァ!」


 恥かしい称号にヒロは闘気を爆発させる!


 オクタの気勢が完全にヒロに塗り潰される。

 だがオクタの動きは鈍らず、槍は捻りを加えられながら、さらなる力を持ってヒロに襲い掛かっていた!


 ヒロは無意識の内に剣の腹で槍の穂先を受けると、剣を傾けて後ろに受け流してしまう。


 全身全霊の突きを、大河に流れ込む流水の如く受け流されたオクタのガラ空きの胴に、ヒロの剣が炸裂する!

 

 チャージスキルと闘気が込められたミスリルロングソードから、まるで流星が爆発したと見間違うばかりの白い輝きが溢れ出し、ヒロの一撃がオクタを袈裟斬りに切り裂いていた!


 リーシアとケイト達は、白い光の爆発に目を覆ってしまう。


 そして光が収まり、再び目を開けたその先には……地に倒れ伏し、傷口からおびただしい量の血を流すオクタと、それを見下ろすヒロの姿があった。


「最後の一撃、見事だべ……お前なら必ずカイザーを超えられるべ……オラが果たせなかった夢を託すべ……」


 ヒロは途切れ途切れのオクタの言葉を聞き、静かに答える。


「必ず倒しますよ。アナタが託してくれた思いで……必ず」


「アイツも待ち望んでるべ……強者と戦える時を……オラじゃダメだったが……戦士ヒロ、おまえなら……頼んだ……べ」


「さようなら、戦士オクタ」


「……」


 そしてオクタの目から光が失われ、ヒロの手は、そっとその目蓋を閉じるのであった。


【レベルが上がりました】


「あ、アイツ、勝ちやがった。たった一人で?」


「マッシュの兄貴、オレ信じられないぜ」


「マッシュ兄さん、あいつは僕たちと戦った時、手加減していたのかな? あの強さ普通じゃないよ」


「ああ、ヒロさん……そのオークを今すぐ解体させてほしいです」


「これがナターシャさんが、ヒロを必要とした理由なの?」


「ケイト、確かにこの強さならオークヒーローに勝てるかもしれません」


 四人掛かりで手も足も出なかったオークを、たった一人で倒してしまったヒロに、六人が驚きの声を上げ未来に希望を見出みいだしていた。


 そんなヒロにリーシアが駆け寄る。

 

「リーシア!」


「ヒロ!」


 自分に向かって走りくるリーシアを迎えようと、背中の鞘に剣を納め手を広げるヒロに、ある既視感デジャブが襲う!


 嫌な予感を覚えヒロは闘気をまとい、コッソリと防御力を上げていた……特に腹まわりは念入りに闘気を集中する。


 そして走り来るリーシアの体が沈んだと思った瞬間!


「約束破りは腹ヒジ鉄です!」


 震脚からの痛烈な肘がヒロの腹部に決まった!


 腹部に闘気を集め防御力を上げたのにもかかわらず、打ち飛ばされるヒロ!

 

 ゴロゴロと地面を転がりようやく止まったヒロは、ドタバタと痛みに悶え苦しんでいた。


「「「「「「え〜!」」」」」」


 六人全員がハモッた!


「あそこは抱き合うシーンだろ!」


「勝者にヒジ鉄を入れやがった」


「オ、オークの攻撃より強くないかい?」


「いくらなんでも、あれはないですね」


「リーシアあんた……いつもヒロにそんな事を?」


「ヒロさん……あのヒジが入る瞬間、何か達観して諦めの表情を浮かべていた気がします」


 リーシアのヒロに対する仕打ちに皆が呆れていた。


 腹パンチ、腹キック、腹跳びヒザに続く、腹◯◯◯シリーズに第四の新たなる技が加わった!


「闘気とチャージの複合技は禁止と言ったはずです! 約束破りは重罪です!」


「グアアアアア、腹が! 腹があぁぁ! リーシア何を!」


「ヒロが約束を破ったからです!」


「しかしあの場合、生きるか死ねかの瀬戸際ですよ? 緊急措置的に使うのは仕方ないかと……イツツ」


 痛みに耐えながらヒロがヨロヨロと立ち上がる。


「あそこでアレを使わなくてもヒロなら勝てたはずです。まだオークヒーローとの戦いが控えているのに、あんな大技を使ってどうするんですか!」


「いや、しかし……オクタさんが戦士として全力で戦いを望まれたら、手加減はできませんよ」


「ヒロ……生きるか死ぬかの極限状態か、強敵と当たるまで、闘気とチャージスキルの複合は絶対にダメです! ステータスを見てください! MPが半分以下しかないんですよ?」


 ステータスメニューで自分のステータスを確認するヒロ……。


 名前 本上もとがみ 英雄ヒーロー

 性別 男

 年齢 6才(24才)

 職業 プログラマー


 レベル :15 (LV4アップ)


 HP:180/280(+140)

 MP:100/230(+140)


 筋力:202(+140)

 体力:222(+140)

 敏捷:202(+140)

 知力:222(+140)

 器用:212(+140)

 幸運:197(+140)


 固有スキル デバック LV 2

       言語習得 LV 3

       Bダッシュ LV 4 (LVアップ)

       2段ジャンプ LV 3 (LVアップ)

       溜め攻撃 LV 3 (LVアップ)

       オートマッピング LV 2 (LVアップ)

       ブレイブ LV1 (ロック)

       コントローラーLV 1

       不死鳥の魂


 所持スキル 女神の絆 LV 2

       女神の祝福 【呪い】LV 10

       身体操作 LV 4

       剣術 LV 4 (LVアップ)

       投擲術 LV 3

       気配察知 LV 2

       空間把握 LV 2

       見切り LV 2 (LVアップ)

       回避 LV 2 (LVアップ)


【Bダッシュ】LV 4

 異世界のスキル

 MPを消費する事で移動スピードに補正が掛かる

 補正スピードは通常の6.5倍になる

 クールタイム−0.4秒


【2段ジャンプ】LV 3

 異世界のスキル

 MPを消費する事で空中に力場を作り、再度ジャンプするスキル

 他のスキルと合わす事で、高さ・飛距離が伸びる

 レベルアップにより、ジャンプの高さと加速スピードがアップ


【溜め攻撃】LV 3

 異世界のスキル

 攻撃を溜める事で、攻撃力が上がるスキル

 溜める時間により、威力が変化する 

 攻撃魔法使用時、魔法にもチャージ可能

 同時に2カ所の装備品にチャージ可能(複数チャージ時は1カ所につき消費MP2倍)


【オートマッピング】LV 2

 頭の中に、自分の通った道を自動的にマップ化するスキル

 通った事がない道は表示されない

 今まで出会ったキャラは名前リスト表示される。

 名前リストに表示された1キャラのみ、選択する事で簡易MAPに未踏破地域であっても光点で表示可能


【剣術】LV 3

 剣に分類される武器を装備した際に、威力、命中率にプラス補正

 レベルにより技を習得可能

 LV 1 パワースラッシュ

 LV 2 連続斬り

 LV 3 ワイドスラッシュ

 LV 4 ストラッシュ



「これからオークヒーローと戦うのに、いきなり消耗してどうするんですか!」


「しかし、戦士の礼儀として挑まれたのなら、全力で戦わなければ失礼に当たります!」


「これだから男はアホなんです……後先考えずに戦うのは止めてください!」


「ですが「腹パ……」申し訳ありませんでした!」

 

 反論しようとするヒロにリーシアが構えながら声を上げた時、ヒロの超高速土下座は完成していた!

 わずか0.8秒と言う人の限界を超えたワールドクラスの土下座スピードに、その場にいた全員が驚愕している。


 痛みに耐えながらも必死に土下座して許しを乞うヒロの姿を見て、ケイト達の未来に暗雲が立ち込めるのであった。


〈戦士の想いを引き継いだ希望が、絶望へと立ち向かう!〉



































…………


「ついに始まるか……ここがターニングポイントだ。さあ本上英雄よ、お前が勇者となるか魔王と化すか見定めさせてもらおう。俺が望む結末に辿り着けぬのであれば、その時は……」


 一つ目の仮面を着けた男は、真っ黒な空間の中で静かに戦いの行く末を見守るのであった……スッポンポンで!

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