第4話 シュレーディンガーの猫
『手紙
このフォルダを開いているのは私の友達の篠崎玲於奈だと想定しています。でも、レオナじゃない人が見ていたらごめんなさい。ちょっとしたお遊びです。
玲於奈へ
突然こんなことしてごめんね。パスワードを使った簡単なゲームだったんだけど、楽しかったかな。これはゲームであると同時に、リベンジだったんだよ。
このフォルダを開いているってことは、全部分かったってことだよね。そうだよ、玲於奈が仕掛けたテストは失敗に終わりました。
答え合わせ、というか、解説ね。
・フォルダ名が「Black Box」なのは「シュレーディンガーの猫」と掛けているのと、部誌の名前と同じだから目に付きやすいかなと思ったから。
・第一問目の"what’s this"は、玲於奈が今年度の春から仕掛けていたチューリングテストの事だよ。まさかmikeはコンピュータだなんて、全然気づかなかったよ。半分自然言語処理とか機械学習でやって、あとは玲於奈が演じていたんでしょ?上手だった!だから答えは”turingtest”。
・hintのjournalは論文誌の事。部誌はひっかけでした。一度一緒に凄い高い論文誌を買ったよね。玲於奈と私なら忘れないだろうなと思って。チューリングテストの本は今も棚においてあるよね?あんまり見ないだろうけど。journalの事を知っている人間にだけ解けるようにこのヒントにしたんだよ。paperだったらimitationgameって思ったかもしれないけど、あの論文誌のタイトルにある”turingtest”が答えでした。これには気づかないかもしれないなと思って、一応PCのデスクトップの壁紙をチューリングマシーンにしておいたのも地味にヒントだよ。
・問題文を全部半角にしたのは大文字で書くとバリエーションが増えて分かりにくくなるかなと思ったから。
・レオナ=mikeはばれましたよ、っていうことでした。だから、turing testのプレイヤーは仕掛けられていて、かつ論文誌の事を知っている唯一の人間、つまり私”claire”が第二のパスワードでした。
結構ヒント多めだったんだけど、面白かったかな?
なんでゲームにしたかというと、リベンジです。
それに、研究とか技術の勉強とかもやりながら必死になって部活を存続させようとしてるレオナが、おかしくなっちゃいそうで心配だったんだ。
大丈夫かな。私が抜けてからトラブルとかストレスとか無ければいいな。
じゃあ、私は先に卒業しちゃうけど、何か困ったことがあったら何でも言ってね。あと、解けたよ、ってことは教えてね!また遊ぼうね!
白鳥來羽 』
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